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ドリームのsiaのレビュー・感想・評価

ドリーム(2016年製作の映画)
4.5
もう月面に立っている!!


すごく良かったです。わざわざもう一回見返した映画って久しぶり。

アポロ11号の月面着陸に至るまでの裏側にはこんな努力があったとかと思うとなんとも感慨深い。

60年代のアメリカは人種差別が根強く残っており、職場もトイレもバスの座席も図書館の本棚もコーヒーポットすらも白人と非白人で分けられています。
歴史の最前線であるNASAでさえ例外ではありません。
映画的な脚色はあれど、こういった状況は誇張抜きにこの時代のリアルだったのでしょう。

そして、差別している当人たちにはそのつもりがないというのも悩ましいところです。
この映画に登場する白人たちは、「そういう決まりだから」「前例がないから」という体の良い言葉を免罪符にして差別を行なっています。
あくまでルールに従っているだけだから自分は差別主義者ではないという感覚なのです。
この問題が個人だけでなく社会全体に根を張っているということがよく分かります。

それだけに、キャサリンが感情を爆発させた時のセリフのなんと重いことか。

ただ、扱っているテーマこそ深刻ですが決して湿っぽくなりすぎず、コメディタッチな要素も交えながら常に前向きに進んでいくので気分良く観れます。

逆境を正面から打開していく主人公たちの姿はスカッとするし元気をもらえました。

これが実話なんだからスゴイ。

主題である「先を見通す」ことの重要性も作品を通して強く伝わり、非常に良いメッセージ性であると感じました。
誰にでもオススメできる作品だと思います。

Hidden Figuresっていう原題も素敵ですね。
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