鮃サブロウ太

ドリームの鮃サブロウ太のレビュー・感想・評価

ドリーム(2016年製作の映画)
4.7
観終わった後に新しい景色が拓けてくるような素晴らしい映画だった。
全篇エネルギーに充ち満ちており、晴々するぐらい未来志向。
世間が変わるのを待つのではなく自分たちが変えていくのだという非常にポジティブな姿勢が一貫しており、そのへこたれない陽気さが偏狭な時代と風潮に少しずつ風穴を開けてゆくさまが見事に活写されている。
ここまでネアカだと勢いだけで運んでしまいそうだが、物語自体は実に緻密で着実。急がず慌てずじっくり彼女たちの足跡を描いてゆく。
プライヴェートな部分の描写を最小限に留め、あくまでも職業人としての魅力を第一義に捉えたことが、逆に家庭における彼女たちの姿を限られた場面の中で温かく伝えている。
個人的に実話か実話でないかは作品の本質とは無関係だと思っているが、本作の場合、実話に基づくと聞けば感動が倍加することは間違いない。