ドリームの作品情報・感想・評価

ドリーム2016年製作の映画)

Hidden Figures

上映日:2017年09月29日

製作国:

上映時間:127分

ジャンル:

4.1

あらすじ

1960年代初頭、旧ソ連との熾烈な宇宙開発競争での劣勢を覆すため、「宇宙飛行士ジョン・グレンを宇宙空間に送り出し無事に帰還させる」という合衆国の威信をかけた一大事業に尽力し、NASAの頭脳として最も重要な役割を担った3人の女性、キャサリン・ジョンソン(タラジ・P・ヘンソン)、ドロシー・ヴォ―ン(オクタヴィア・スペンサー)、メアリー・ジャクソン(ジャネール・モネイ)。大きな功績を残しながらも近年ま…

1960年代初頭、旧ソ連との熾烈な宇宙開発競争での劣勢を覆すため、「宇宙飛行士ジョン・グレンを宇宙空間に送り出し無事に帰還させる」という合衆国の威信をかけた一大事業に尽力し、NASAの頭脳として最も重要な役割を担った3人の女性、キャサリン・ジョンソン(タラジ・P・ヘンソン)、ドロシー・ヴォ―ン(オクタヴィア・スペンサー)、メアリー・ジャクソン(ジャネール・モネイ)。大きな功績を残しながらも近年までほとんど語られなかった驚くべきこの3人の先駆者たちの物語は、性別や人種、世代を超え、すべての世代を大きな夢へと導いた感動の実話です。

「ドリーム」に投稿された感想・評価

deenity

deenityの感想・評価

5.0
初めて「地球は青かった」って言ったのはガガーリンだとかアメリカの月面着陸だとか、一般常識的な知識は一般人なら誰でもあって、それをニュースやら噂やらで聞くのはやはり表面的な話で。何が言いたいかって結局ガガーリンが凄いとかアポロ計画が凄いとか、いつも脚光を浴びるのはそういうとこばかり。だけどその裏でどれだけ活躍した人達の存在があったかってことは薄れがちだ。
決して歴史の教科書にはならない。当時の人々が亡くなれば語られもしないかもしれない。でも偉大な出来事の背景には忘れてはならない、知っておかねばならない、人々の努力があったこと。
本作のテーマが「人種差別・女性差別」であることは間違いない。だけど事実に基づいた話で、誇張したり編集されている部分があったとしても映画として世に広まり、語られ続けることが大切であり、まずその点を素晴らしいと言いたい。

時代は1960年代アメリカ。当たり前のように差別があったことを思い知らされる。冒頭で天才的な知能を持つキャサリンが教員からチョークを受け取り、実力を遺憾なく発揮するシーン。後のシーンとの対比も見事だが、素晴らしい知能を持っていることと同時に、これから先がそう簡単にはうまくいかないことを仄めかす車のシーンも面白い。白人と黒人、男性と女性の関係性を一瞬で表現するのは見事。本作はこの辺りの映画的演出が抜群に生きているのも見所だ。

また、この作品で描かれる女性はキャサリンだけじゃない。エンジニアを志すメアリーやリーダーのドロシー。この三者の活躍が感動的なのだが、それまでの不当に虐げられるシーンがあるからこそ、後半に生きてくるのも事実。
NASAで活躍するなんて凄い、と思った。警官ですらそう言っていた。それでも実際は黒人だけで部屋が分けられ、立場も違い、言葉尻にほとんどの会話でチクチク棘があるのがわかる。
メアリーは女性だからエンジニアの道が閉ざされ、そのエンジニアのための資格も白人のみの大学を出る必要がある。
ドロシーは黒人女性たちをまとめるリーダーで管理職への昇進を望むが、一向に聞く耳を持ってくれる気配はない。
キャサリンは数学の能力を買われて部署を移されるが、そこでは白人男性しかいない。

圧倒的差別。でも問題は、その差別を当たり前のことと白人は思い、黒人もそれを認めていること。意図的な差別ならまだしも、無自覚に差別を行なってしまう感覚はそこまで生きてきた環境がそうさせるのだ。
だからこの作品のテーマとするところは根深い。今の私たちが差別がいけないことくらい当然わかっている。でも無意識のうちに差別をしてしまっている事実を変えるには根本の部分から見つめ直す必要がある。
差別がなぜいけないか。人を傷つけるから?存在価値の差?いろいろある。いけないものはいけないが、これだと一概には言えない。しかし本作はスマートだ。
非合理的だから必要ない。人類の進歩を妨げるから必要ない。
アメリカはこの当時の冷戦下でソ連に一歩先を越されていた。ケビン・コスナー演じるハリソンも「熱意や能力で負けているはずがない。努力が足りないから負けたのだ。」と言った。でもそのハリソン自体がとった行動がまさに合理的で大きな価値のある行動なのだ。

キャサリンが感情を露わにするシーン。トイレまで800メートル走らなければいけない。服装の規定があるのに真珠のネックレスなんて買えない。非白人用コーヒーポットには手も触れない。タラジ・P・ヘンソンの演技も素晴らしいのだが、同時に、それに気づかされた同僚達の表情にもはっとさせられた。
当たり前のように差別がまかり通る社会。その中の小さな一歩かもしれない。だけどハリソンの「NASAでは小便の色は同じだ!」には震えた。
誰もが当たり前に平等に活躍する社会。人類の進歩には差別など合理的に間違っている。差別はなぜいけないか?それも一つのアンサーだ。

メアリーは「前例になること」の必要性を訴えた。ドロシーはキルスティン・ダンスト演じる上司に「偏見を持ってないつもりでいることをわかっている」と呟いた。
本作のスポットを浴びているのはキャサリンが一番主役なのかもしれないが、この二人の活躍も十分に感動的だ。
そうやっていつか当たり前に差別がなくなる日が来ればいい。差別はなぜいけないか?なんてどうでもいい。差別って何?くらいに言える時代が来るといい。彼女たちの行動は、この時代に活躍したこと以上に差別撤廃の大きな一歩のはずだ。


いやー、正直久しぶりに2回見に行っちゃいました!実はもうちょい前に見てたんですが、ちゃんと受け止めたくてレビュー書きたかったので遅くなりましたが。。でもそう思わせるくらいに素晴らしい作品でした!今年度1です!
これはよい。差別絡みで敬遠するには勿体ない。人種差別、性差別、学歴差別をはね除けてヒールを鳴らして前進するヒロインたちの爽快なこと。湿っぼいところがなく気持ちよく見られる。ジョン・グレンがかなりヒロイックに描かれている。現実にはなかった事件も加えられているので象徴として味わえた。『ライトスタッフ』で詳細を補足したり、南部ものでトイレ問題(特にオクタヴィア・スペンサーの出てる『ヘルプ』)を追求したりしてもよし。
はま

はまの感想・評価

3.8
邦題問題で色々あったあと結局劇場へは観に行かなかったんですけど、WOWOWでの放送を機に鑑賞。
アカデミー賞でも話題でしたし、当然のごとく安定の面白さでした。

NASAで働く黒人女性、とりわけその中の3人に焦点を当て、事実をもとにして書かれた小説の映画化作品。

気持ちがいいぐらいスカッとする内容で、私自身最初からそういうのを楽しみに鑑賞していたので期待を裏切らない楽しさでした。
逆に言うとトントン拍子というか予想通りというか、そういう表現も出来るけど…

聞くところによると実際の3人の話とはちょっと内容が違うようで、昇格に関することとか学位の部分で“フィクション的に盛り上がるように”書き換えられてるみたいですね…?

人種によるトイレの有無も既にこの当時のNASAでは撤廃されてたとあったので、ケヴィン・コスナーの「NASAではションベンの色は同じだ!」ってセリフに感動した後に若干の後味が悪いかも(°_°)
まぁ部分的にフィクションと考えれば…

NASAやキャサリンさんら本人から批判的なものがないということは小説の時点できちんとその辺り合意を得ているという証拠だろうし、作品としてお互いに利益しか生まないので特に問題ないですね!
と、ここまで書いといて何言ってるんでしょうね!

それにしてもスカッとするセリフがいっぱいあったなぁ〜〜!
ケヴィン・コスナーはもちろんだけど、やっぱり3人の主人公、言い方もカッコよかったぁ。
相変わらずこの当時の差別感はホント信じられないですけどね。意味不。
何もかも「白人」「非白人」で区別されて彼女達を見る白人の目にイライラしてたけどキャサリンとその上司が最高だった。3人の力は勿論、その上に立つ人たちも素晴らしい
WOWOWで鑑賞。
1960年代差別のまだ多い時代。3人の女性がNASAで自分の力と行動で道を開いていった。
これが実話ということもスゴイ!
差別に負けず、実績を持って立ち向かっていく姿には観ていて勇気ををもらったし、気持ちが良かった。
みちょ

みちょの感想・評価

4.4
人種差別、女性軽視の世の中での女性のたくましさがかっこいい。

彼女達はそれを捻じ曲げられる程の賢さと強さを持っているし、実行に移せる。
そういう女性達が時代を作ってきたのだと感じた。

個人的には本部長の「困った事に、私の心はすでに月に行っている」という言葉が研究者くさくてとても好き。
何の知見も無く、ジャケのコントラストが高めのせいでなので、新しいSF映画か?と思ったら実話だった。
Yui

Yuiの感想・評価

5.0
頑張ろうって思える映画でした!!!
アメリカ南部バージニア州、 NASAのラングレー研究所で働く3人の黒人女性は親友同士。それぞれのプロフェッショナルな技術を駆使して黒人差別とある時は女性差別とも戦ってゆく物語。差別と戦うと言っても暴力ではない。子どもの頃からたゆまぬ努力と何より数字が好きという天賦の才で培ってきた学問を武器に周囲を納得させるだけの知恵と説得力と絶対に諦めない強い意志で夢と言われてきたものを彼女たちは手にしてゆく。社会的な弱者であった彼女たちが社会に自分たちを認めさせてゆく様子は日本でいうと池井戸潤氏の作品のようで爽快感がある。IBMの計算機よりも最後は人間の力が有人飛行を可能にしたという落とし所もまたスカッとする。
露骨に差別意識を見せる白人の同僚が多い中、その差別にすら気づかぬハリソンのような者もいてブチギレたキャサリンが40分の退席を説明するくだりはあまりに鮮烈で差別がある差別であると知らなければ差別にならないということではないと気付かされる素晴らしいシーンだった。
ミッチェルがドロシーに「差別意識はないのよ」言った返しが「分かってるわそう思い込もうとしてるって」っていうのもかっこよかった。自分自身に自信がある人はなんと美しいのか。
仕事の話と同時進行で進む家族の物語では同じ黒人のコミュニティと外の世界の現実を見せてゆく。ことを起こすには暴力しかないという一種の諦めと女性蔑視からの脱却。たとえ夫であっても好意をよせている人物であっても自分の仕事と自分自身を軽んじる人間におもねることはない彼女たちの強さがここでは描かれる。
仕事も家庭もどちらも捨てないというのも旧来の仕事のためなら家庭は捨てるという考え方から自由になったことのひとつに数えることができる。新しい時代の風がこの一作につめこまれている。1960年代の衣装や音楽もカッコイイ。
612aki

612akiの感想・評価

4.5

人種差別を扱った映画って、どんな差別があったか、いかにそれが酷くて恐ろしかったか。そこに焦点を当てがちで、考えさせられると同時に辛くなるものも多いけど。
この映画はそんな環境の中でどう生きて、どう成し遂げるかにフォーカスしていて、もうラストは彼女達のパフォーマンスにただただ拍手したくなる!!


有色人種であり、女性であるが故の困難。だけど彼女達の表情から、歩き方から、ファッションから、言葉から、悲壮感なんて微塵も漂わず、ただただパワフルで本当に本当に美しくて美しくて美しい!


3人それぞれの強さに個性があって、過剰でない演出も、音楽も最高。

#キャサリンの耐え忍び諦めない強さ
#そんなキャサリンが気持ちを爆発させるシーンは号泣必須
#そしてただただ前例に従っていた自分の無知への後悔を行動で示すハリソン教授
#そうだよ排泄しちゃえば人間みんな一緒
#男女それぞれのベストオブ品格シーン
#メアリーの志の高さと芯の強さ
#この夫婦のエピソードはとても素敵
#ドロシーの毅然さと賢さ
#「差別してるわけじゃないのよ」「わかってるわ、、、あなたがそう思い込んでる事はね。」
#かっこよすぎるここも震える
#あと行進のシーン!
#コーヒーはいつ差し出してくれるのかドキドキ待ってたよ
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