群青

レッド・スパローの群青のレビュー・感想・評価

レッド・スパロー(2017年製作の映画)
3.5
2018年劇場鑑賞12作目。


ロシアが舞台だからということかもしれない。主人公をスパイに雇っておきながら精神的に追い詰める叔父というキャラクターを見た瞬間、目を見開いてしまった。ロシアのトップ、プーチン大統領にとてもよく似ていたからだ。
俳優の名前はマティアス・スーナールツ。彼の名前をよく覚えて置いてほしい。彼はこれからもっともっと有名になるだろう。なんてったってエロカッコいいのだ。

鋭さのせいで見られただけで殺されそうな目、冷徹さ漂う風貌。出オチと言っていいほど存在感がでかい。エロい要素は何一つないのだが、存在するだけでエロさが溢れ出ているのだ。
彼にいじめられる主役ジェニファー・ローレンスが可哀想。いや逆に羨ましくて(?)たまらない。
マティアス・スーナールツには是非、プーチン大統領がご存命の内に、伝記映画の主役をやってほしい。そしてその作品のレッドカーペットで、大統領とツーショットを撮ってほしい。しかしもしかすると大統領と思っていたのが彼かもしれない。そしてマティアス・スーナールツだと思っていたプーチン大統領が映画に出演するのだ。
あれ?マティアス・スーナールツは、、、ひょっとして、、、二人存在する?(カオス)


脱線したけど、硬派なスパイものとしては好きな方だった。変に話は込み入っていない。あくまで裏切り者を探すという一本道なストーリーで分かりやすかった。

ハンガーゲームシリーズでこれでもかというほど、ジェニファー・ローレンスを可愛く美しく撮った監督のことだ。今作でも彼女の魅力がほとばしっている。ほとばしりすぎて着けたブラジャーが予告で修正される程。
彼女が体を投げ打って任務を遂行する話なのにその体を編集するとは言語道断。修正を指示した人は、マティアス・スーナールツに拷問にかけられたらいい。いや、それは最早ご褒美なのでは?(錯乱)


騙し騙されというゲームにおいて、ジェニファー・ローレンスとジョエル・エドガートンという二人の組み合わせはとても良かった。二人とも正統派、というより若干邪悪な雰囲気があるから。それが二人のどちらが真実で嘘かわからないあやふやさを醸し出している。
そしてそこにマティアス・スーナールツ。結局は彼の魅力に落ち着いてしまう笑


観客は終始、マティアス・スーナールツに翻弄されるジェニファー・ローレンスに感情を重ねてしまうだろう。任務か、愛か、祖国に残した肉親か。全てを天秤にかかて何を選び何を捨てなければいけないのか。ここら辺のハラハラは最後まで引っ張っていて良かった。こういうハラハラは中々持続させるのが難しい。映画という尺ではしばしば緊張の糸が切れそうになるからだ。しかも今作は2時間半と普通より長い。それじゃ切れて当たり前、なのだがホッとした時に限って出てくるのだ。


マティアス・スーナールツが。


彼をど頭に出して、こいつはやべえ(掘られる…じゃなくて惚れる)と思わせておく。そうすることで頭の片隅にマティアス・スーナールツが出来上がり、ジェニファー・ローレンスと同じくホッとした時に出てくる。それによって緊張が途切れないようにしているのだ。


つまりこの映画はマティアス・スーナールツで出来ているのだ。



こんだけ書いたら覚えましたね?プーチンじゃないですよ。


マティアス・スーナールツ。


彼の魅力を堪能する作品でした。
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