Vincent

レッド・スパローのVincentのレビュー・感想・評価

レッド・スパロー(2017年製作の映画)
4.5
『アトミック・ブロンド』との違いは何だろう…みたいな感覚で見始めたけど、全く違う。違いすぎるスパイ映画。

本作はアクションが全くなく、話の構成も先述のAブロンドより深くはないのだが、ラストシーンで唸らせる。

本作はロシアとアメリカの諜報機関を通して国家対立を描くのだが、それが深刻でなく、あくまでも個人、諜報機関内の対立に終始している。
そしてロシア怖い、アメリカ優しいのイメージも一貫している。

ロシア諜報機関の拷問は厳しかった。
『ソウ』シリーズの残虐シーンを少し忘れようと思ったのに、本作もなかなかに残虐…

ラストシーンはハッピーなのかバッドなのか…
両方に取れるけど、主人公のドミニカは結局自由を手にした訳ではないと思った。
自由を手に入れるための代償はそれなりにあるのだ。
人を陥れた罪の意識、監視される恐怖(コルチノイ将軍)の呪縛に縛られて生きていく。

それはボリショイバレエ団と変わらないのである。

そのコルチノイ将軍を演じたJアイアンズ…カッコ良すぎ。
そして冷酷な女教官を演じたCランプリング。実に素晴らしい演技だった。
この2人を見るだけでも価値あり!
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