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ライフ・ゴーズ・オン 彼女たちの選択のziziのレビュー・感想・評価

3.6
冒頭の色の無い荒涼とした風景のシーン。
この作品がどんな映画なのかを描いていますね。

3つのストーリー。
どれもアメリカの片田舎の出来事を描いています。キラキラした世界とは全く無縁。
日常のちょっとした延長のような物語。

何か特別なことが起きるというわけではないので、単調に感じるところもありますが、
自分との共通点を見出すところもあったり、
「ああ、これがリアルアメリカなのかも」と思ったりしました。

ストーリーからそれますが、ローラ・ダーン顔の崩れ方が気になりました。普通に年をとったというより、いじって失敗してしまったという感じ…。

ミシェル・ウィリアムズのストーリーでは
彼女が娘に「歯をみがいたの?」と尋ねるシーンがあり、娘が「みがいたよ」と答えても「ほんとに磨いたの?歯ブラシあるわよ」みたいな事を言うと娘が「信用していないなら、最初から聞いたりしないでよ」とやり返すところがあり、
あ、わたしも子供達に同じ事しちゃっているかも! とドキっとしました。
目的を果たそうと邁進する妻、それを引き気味にサポートする夫、無関心な子供。親子の距離感をうまく見せていました。

3番目のストーリーでは、教室内では肩をすくめているリリーグラッドストーンが馬に乗っている時は、誇らしげに背筋がピンと伸びているところが印象的。クリスティン・スチュワートは疲労感たっぷり目の隈もすごい表情ですが、隠しきれない美しさ。

一見単調な映画なのですが、こういう映画のほうが後々まで記憶に残ったり
ハッとする言葉に出会えたりするので不思議です。

ド派手な映画だけでなく、このような作品も大事にすべきと思います。



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