ゆたぽん

ANTIPORNO アンチポルノのゆたぽんのネタバレレビュー・内容・結末

ANTIPORNO アンチポルノ(2016年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

プロジェクト1の問題作、なのは最初から想定はしていたけれどもその斜め上をいくぶっ飛んだ作品。女の宿命とアイデンティティと処女性をミキサーにかけてぶん投げられてるような話。現実と芝居とイメージと京子の記憶と何が何か分からなくなりながら話は進んでいく。彼女のターニングポイントである妹の死からくる屈折したセックスに対する価値観は1つの強いメッセージであったのだろう。劇中で言われている「男性生殖器とチンポは違う、断じて違う」というセリフからも感じられる。
画面も一番の衝撃作。初っ端から目のチカチカするようなアトリエにラストの絵の具のぶちまけにゴダールを思い出させるような色の表現をしている。カメラワークもアトリエのドリーの往復など印象に残るものの多い作品だった。またファンの音1つでも作品に没入させる音使いは憎いなぁと感じさせられる。
久々に誰かと語りたくなるような作品で個人的にもかなり好きな作品だったが、このプロジェクト内では一番ポルノ映画として興奮できるものかというと疑問の残るものだった。しかしそれも含めての"アンチポルノ"という作品だったのだろう。園子温の作品は好きだがこの作品は輪を掛けて園子温の好き勝手をした感はあった。
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