ちゃんこなべ

ANTIPORNO アンチポルノのちゃんこなべのレビュー・感想・評価

ANTIPORNO アンチポルノ(2016年製作の映画)
2.8
お前は売女になりたいか!!!

あらすじはないようなもんなので割愛。
昔からフォロー頂いている方はご存知かと思いますが園子温はあたしが1番好きな監督さんで彼の独創的な世界観が本当に好きなんですよ。

ちなみに好きな作品TOP3は「恋の罪」「奇妙なサーカス」「TOKYOTRIBE」です。

そんな彼ですが2015年以降の商業映画への手の染め方には非常に残念な気持ちになっておりまして。今回久しぶりに期待できる作品なんじゃないか?とワクワクしながら劇場に向かいました。

勿論評判がかなり悪めなのは知ってました。
でも一応ポルノやし勇気なくて、園子温という名前は分かるぐらいの友達に付き合ってもらいました。
「多分全然おもんないで。ほんまにええん?」って聞いたけど「いいよいいよ~♪」って笑顔の友達。優しいなあ。

そして始まるアンチなポルノ。
おお…赤に黄色にビビッドな空間…
園子温…!園子温っぽさが半端ない…!!!
…と静かに興奮しながらも友達は退屈してないやろか…とばかりめちゃくちゃ気になりました。

つまりそういう映画。
園子温ファンにはそこそこ見れる映画かもしれないがポルノ映画好きや冨手麻妙ファンは寄せ付けない出来。

ジャケットやタイトルから想像していたのは内臓ズルズル鮮血地獄だったが蓋を開けてみるとエロくもなければグロくもなかった。
かつて「桂子ですけど」とかで見たような園子温の芸術的な一面が押し出された一本。ちなみに桂子ですけどはあたし★1.5つけてるクソおもんないと思った映画。

エンドロールが終わって一言。
私「めっちゃ園さんぽかった」
友「芸術的やった…」
後ろの夫婦「アバンギャルドすぎてついていけんわ…」

まさに。まさにそんな感じ。
園子温ファンは見て損ないと思うけど、一般受けとはほど遠い一本。

エスカレーターをくるくると降りて地上へ。
シネリーブル梅田から大阪駅に向かう地下道のどんよりした空気を吸いながら"上映前に流れたホワイトリリーの予告編が1番エロかったなぁ…"と考えていた。