色使いは「桂子ですけど」のときから変わらず原色奇抜、光の使い方はなんとなくグザヴィエドラン思い出し、台詞は園子温の詩集だった。
自由という名の不自由を、安保のデモと女性の権利になぞらえて語らせていた。そこから抜け出したくてもがく姿ってのは割とどの作品にも通じる気がするけど、アンチポルノはより直接的に抽象的表現で語っていた。
主人公の肢体はポルノ映画に相応しく、発育的で魅力的。一方筒井真理子も官能的で退廃的。女性キャストの人選は全く問題なし。
実用的かと言われると全くだけど、園子温という人の映画を見たいという人にはドンピシャな作品。