このレビューはネタバレを含みます
ずっとみてられる気持ちが悪い極彩色の映像美で、園子温節を感じる。
日活の周年を記念して制作された作品だが、ポルノ映画らしくないポルノ映画。
だからアンチポルノって名前なんだと思うけど。
女性同士のSMシーンが多くてその中でただのエロスの表現だけでなくて男性社会、女性差別的な表現をしているようにも捉えられて1つの映画の中にいろんなテーマを放り込んで来る。
映画に出て来るインテリアとか音楽、あれ狙ってやってるなら細部まで凝りすぎててすごい。
例えば音楽はドビュッシーのアラベスクが流れる。アラベスクはドビュッシーが作曲するときに女性の体の曲線美とか花模様とかそういうのをイメージして作ったって言われてる曲。
インテリアは60年代のスペースエイジ的な曲線が印象的な家具がたくさん出て来るんだけど
出てくる家具も女性の体とか子宮をイメージしてるって言われてる家具が出てて、とにかく女を表現してる。
同作に登場する人物もほぼ女。女同士の濡れ場ばかりだし。
セーラー服で首輪でSMなんてテンプレートなサブカル性癖まで盛り込まれてお腹いっぱいです。