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ANTIPORNO アンチポルノのgenのレビュー・感想・評価

ANTIPORNO アンチポルノ(2016年製作の映画)
3.2

園子温監督の「獣でなぜ悪い」を読んだ後にこの映画を見たから、監督の意図が見えて面白かった。でなければただのポルノ映画で終わってたなー。

最初はキョウコが自由奔放な女の子にしか見えなかった。しかし様々な過去や、虚構と現実の間でもがき苦しむ。私はキョウコを演じていて、自由のフリをしていただけだったのか?と自問自答を繰り返し荒れ狂う様は気持ち悪いくらい美しかった。

自分が自由だと思っていても実は不自由な事に気づかない人は沢山いる。例えるなら首輪をした犬。犬は自由だと思ってるけど、実は狭い籠の中でしか生きていない。


筒井真理子さんが言うセリフが全てだと感じた。
「この国の自由に騙されて、表現の自由を謳歌してる事になってるけど、自由を使いこなせていない。自由の奴隷になって自由に振り回されて、自由になったふりをしなきゃいけない。クソみたいな犬の自由を味わって、お前は売女か!」

園監督の頭の中を映画にするとこーなるんだなぁ、めちゃくちゃやってるけど、なんか魅力的なんだよなー全てが。
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