ANTIPORNO アンチポルノの作品情報・感想・評価 - 2ページ目

ANTIPORNO アンチポルノ2016年製作の映画)

上映日:2017年01月28日

製作国:

上映時間:78分

3.2

あらすじ

女流作家の京子(冨手麻妙)は、小説を書く前にキャンバスへ登場人物の絵を描く。キャラクターの細部まで絵 の中で完成させてから、その絵に囲まれて執筆を行うのだ。これまで発表した4本の小説も、出版後に使用した 絵を個展で発表した。こうした奇抜な手法が話題を集め、京子はアーティストとしてカリスマ的な人気をほこり、 時代の寵児となる。ある朝、黄色い壁に囲まれた広い部屋で眠りから覚めた京子は…

女流作家の京子(冨手麻妙)は、小説を書く前にキャンバスへ登場人物の絵を描く。キャラクターの細部まで絵 の中で完成させてから、その絵に囲まれて執筆を行うのだ。これまで発表した4本の小説も、出版後に使用した 絵を個展で発表した。こうした奇抜な手法が話題を集め、京子はアーティストとしてカリスマ的な人気をほこり、 時代の寵児となる。ある朝、黄色い壁に囲まれた広い部屋で眠りから覚めた京子は呟く。「今日が誕生日だってこ とは黙っておこう。まったく、ちっとも上手くいってない。でも私のせいじゃない、どうしたらいい?」。いつも のようにマネージャーの典子(筒井真理子)が、その日のスケジュールを伝えに来る。雑誌のインタビュー、撮 影、テレビ番組の取材、文芸誌編集者との打ち合わせ......。マネージャー典子が伝えるスケジュールを分刻みで こなす毎日。京子のいらだちは、典子へのサディスティックな振る舞いになって表れる。「おまえは売女になれる か?」「四つん這いになってごらん。犬のように吠えてごらん」首輪をつけられ、部屋を引きずり回されながら恍 惚の表情で京子を見つめる典子は声を振り絞る。「先生のような売女になりたいです......」 京子の部屋の片隅で微笑む妹の幻影、父と義母と共に囲む食卓、天井に切り込まれる裂け目。自由と不寛容、サ ディズムとマゾヒズム、カリスマと奴隷、寝ても覚めても終わらない悪夢。私はキョウコなのか、キョウコを演 じているのか。これは私の人生じゃない?虚構と現実の狭間で、京子の過去の秘密が暴かれていく―。

「ANTIPORNO アンチポルノ」に投稿された感想・評価


終戦後、我々は自由を許された。だがあらゆる自由を許された時、人は自らの不可解な限定とその不自由さに気づくだろう。人間は永遠に自由では有り得ない。なぜなら人間は生き、死なねばならず、そして人間は考えるからである。

堕落論 坂口安吾


自由を扱いきれず不自由になる人間。
生命の誕生は神聖であるが、セックス(ポルノ)は下品で不真面目であるという矛盾。
両親のセックスで産まれた事を認めはするが、実際に目の当たりにするのは死んでもゴメンです。

坂口安吾は人間は自由になれないと論じたが、この映画で自由になれないのは女。

男に押し付けられた使いこなせない自由、男目線での都合のいい女の役。
処女と売女を同時に演じさせられては、そりゃあ破綻します。

映画としては「時計仕掛けのオレンジ」の世界観で「レイプゾンビ5」をやったイメージ。



社交術でも腕力でも無力でも余りに弱者であった少年は、現実の、地上の城主になることを諦め、幻影の国に一城を築いて、そこの城主になって見たいと考えた。

幻影の城主 江戸川乱歩

無力を感じる度、不自由を感じる度、京子は自身の立ち位置を見失い、そこが夢か現実か、役か本人かが分からなくなる。



それは完全を夢みながら完結を知らず、次の美、未知の美へとそそのかされていた。そして予兆は予兆につながり、一つ一つのここには存在しない美の予兆が、いわば金閣の主題をなした。そうした予兆は、虚無の兆だったのである。

金閣寺 三島由紀夫

あらゆる連続の終着点が虚無だとすれば、京子の探した出口も虚無、即ち死だろう。
一つ一つは鮮やかな絵の具の清流は、混ざり合えば汚ならしい濁流となる。
京子は自由を探してのたうち回るけども、その度に身体を汚く汚す。
自由による肥大で瓶詰めのトカゲとなった京子は、作中の死刑囚の如く、死ぬと分かれば幸福なんだろうか。
良くも悪くも園子温て感じだった
C

Cの感想・評価

-
ふと思い出した。
あの時筆が追いつかないほどに共感したその事実すら古ぼけて見えるようになってしまった。
久しぶりにサブカル映画を観た
yukkafilm

yukkafilmの感想・評価

4.0
男性によって作られたイメージを演じる女性への批判や日本における女性の役割に対する皮肉などを一人の若い芸術家の激しい妄想を通して描く。ああ、私は売女にも処女にもなれない、行き場のない瓶に詰められたトカゲのようだ。早くこの瓶を破って出して頂戴!そんな映画。
日活からピンク映画とって欲しいと言われてとったのがこれって、まさしくアンチポルノ、パンク精神だな笑 と思う。
まお

まおの感想・評価

2.5
最後までよく分からなかったけど冨手麻妙は可愛かった
小説家兼アーティストとしてブレイクした京子は、極彩色の部屋に籠もり、マネージャーの典子から知らされるスケジュールを分刻みでこなす毎日を送っていた。
次第に虚構と現実の境が曖昧になっていく中、京子の意外な過去が暴かれていく。


これぞ園子温!
妄想か演技か現実かどれがどれなのか曖昧なところを突き止めず、曖昧なまま受け入れるのが園子温の楽しみ方!

ロマンポルノと言われれば微妙だが、美術が最高すぎるからアート映画としても楽しめそうだ。衣装とか部屋の雰囲気やいろんな色使いがパーフェクト!
レズ映画なのに百合豚の俺をぜんぜん萌えさしてくれない。
奇抜なカルト作から有名になった監督によくある傾向だが、メジャー大作経験後の急激に燃え尽きた感はなんなんだろう。
『ロードオブザリング』を撮り終えたあとのピージャクしかり、『スパイダーマン』をやりきったあとのサムライミしかり、デカイ仕事で評価を得てしまうと撮りたいものがなくなってしまう。園子温も同じで、『ヒミズ』以降は毒にも薬にもならないお冷やしか作ってない。