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瀕死の白鳥のSのレビュー・感想・評価

瀕死の白鳥(1917年製作の映画)
4.5
「生は死よりも怖ろしい」!
 それこそ怖ろしい箴言である。同様に「偉大なる平和は死にこそある」という文言も、本作がロシア革命前夜に撮影されたことに鑑みて、なにかを示唆しているのではないかと勘繰ってしまう。
 つまり、終わりの予感、メランコリックな退廃、そうした昏い欲望のうちに隠れる、現実に革命を準備したものを《美》として体現したのが死にゆく《白鳥》であり、死んでしまったものを死んだまま再生させる手段こそが芸術であると、本作の最終ショットは述べているように思えるということだ。
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