アズマロルヴァケル

オー・マイ・ゼット!のアズマロルヴァケルのレビュー・感想・評価

オー・マイ・ゼット!(2016年製作の映画)
3.9
「まさかの展開」な映画

高校生の松山は蝶を追いかけていく一匹のゾンビを発見し、スマホを片手に尾行していく。たどり着いたのはひとつの民家だった。民家の前には他に数名ほどいて、あとから民家の主人の花田さんがゾンビから逃げ延びて二階から出てくる。
花田さんはゾンビが現れたことに収束するべく電話を借りようとしたが、他の松山らは目的があるので電話を借りようとしない。そこで結婚式に出席する近隣の藤村さんに鍵を借り、隣家の固定電話で電話しようとしたが、松山によって電話線を切らされてしまう。隣家にはゾンビの動画で有名になりたい松山、今すぐにでも警察に通報したい花田、再生医療の検体でゾンビを使用したい清野、ゾンビの妻だと主張する西岡…そして花田さんの妻も加わり、事態は恐ろしい方向へ。

この映画、基本はコント形式で進むものの中身はドロドロのゾンビ映画にサイコホラーを足したような恐ろしい話。結局、人間性のないゾンビよりも人間性のある人間の方が〇〇だったという話。

最も恐かったのが自称大学病院で研修医をやっている清野だが、本当は表は薬局の店員で裏は解剖好きのサイコキラーという裏の顔を持っていて、キャスティングも相まって全編に渡って鬼畜で、ゾンビよりも末恐ろしい。

で、実質花田夫妻と松山以外に関しては嘘をついていて、チラチラと本当は〇〇だったということを映像で教えてるのでラストのオチは少々読めますが、ある人物が最後に仕掛ける恐ろしい復讐もゾンビよりも怖かったです。

そんなことを含めると、はらわたを引き裂かれた花田さんが無関係なのにゾンビの餌食にされて殺されるのが一番可哀想でならない。

そして肝心のラストのラストで、登場人物の会話内で出てくるある人物が登場するのですが、せっかく欲望を叶えようとした人々が何のためにやってきたのかと思うと…最早登場人物全員が平等で可哀想でした。