ノッチ

メアリー女王の処刑/女王メアリの処刑/スコットランド女王、メアリーの処刑のノッチのレビュー・感想・評価

3.0
トーマス・エジソンの製作した世界初のサイレントホラー映画。

世界初のホラー映画とされるこの『メアリー女王の処刑』は、リュミエール兄弟が複合映写機のシネマトグラフを発表した1895年の作品。

リュミエール兄弟とは、トーマス・エジソンと並び称せられるフランスの映画発明者。

「映画の父」と呼ばれてたそうです。

だがこの映画、最古のホラー映画というよりは、映画史上初めて人が死ぬシーンを写した映画といった方が適切か。

16世紀に起きた歴史の一場面の再現で、スコットランドの女王メアリー・ステュアートが処刑されるだけの映画だし。

血しぶきこそ上がらないが、斧が振り下ろされると女王の首がコロン。

まだ物語を導入していない映画なため、カメラは固定されて1シーン1カットのみでできている。

この映画の構造は斧で首を斬られる寸前にカメラを止めて、女優とダミー人形をすり替え、それから首を切断し、あたかも本当に処刑したかのように見せたわけです。

現在の視点から見ると雑なフィルムの繋ぎで、撮影方法が丸見えなのは残念だが、当時の観客はこれをフェイクだと思わず、本当に人間を処刑した映像だと信じ震撼したそうです。

子供騙しな分、確かに変なグロさがある。

それなりに残酷ですので、鑑賞の際は閲覧注意でどうぞ。

ちなみに余談ですが、この映画では一太刀で首ちょんぱですが、一説にはメアリーの綺麗なうなじに見惚れた処刑人が一度目と二度目を切り損ね、三度目でやっと首を落とすことが出来たという噂話があったりします。

さらに余談ですが、ほぼ同時代に存在したメアリー1世 (イングランド女王)とは別人なので注意。

メアリー1世はプロテスタントを迫害し、女性や子供を含む約300人を処刑したため、「ブラッディ・メアリー(血まみれのメアリー)」と呼ばれ恐れられていました。

午前0時に鏡の前でその名を3回呼ぶとブラッディ・メアリーが現れるという都市伝説があったりします。

良い子は試しちゃダメだよ!
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