うめ

密偵のうめのレビュー・感想・評価

密偵(2016年製作の映画)
4.0
あぁ…
なんて事だ。
とうとう韓国映画はここまで来てしまったのか。
燃え上がる熱さ。
容赦のないバイオレンス。
思わず鼓動が速くなる緊張感。
いつもの魅力はそのままに
若干エグい演出は控えめながらも、ズシリと芯に残るこの重量感。


それを担うのは、朝鮮人でありながら日本の警察で働く男を演じるソン・ガンホです。
もはや、韓国のトム・ハンクスって感じですね。
どんな役も消化しきる実力。
自然体でありながら、深みがある演技。
朝鮮人というアイデンティティーと庇護してくれる権力の日本。
その間で揺れ動く表情。
そして、毅然とした眼差し。
この人が出てる作品に外れはないな。


そんな大御所の向こうを張るのは…
活躍がめざましいコン・ユ!
レジスタンス義烈団の幹部として、信念に生きる姿。
優しいマスクに男らしさ。
思わず、おっさんの私でも惚れてしまいそうなほどです。
「新感染」でもそうでしたが、言葉にならない瞬間の演技がべらぼうに上手いですね。
あれぞ、まさしく渾身の表情。
内容に触れてしまうので、これはコメント欄に書きます。


さらに、そこに義烈団のリーダーのイ・ビョンホンまで絡んでくるんですから…
どれだけ喜ばせる気じゃ〜
出番は少なめながらも、存在感はバッチリ。


日本警察の同僚のオム・テグ。
この人もいい味出してました。

日本代表の鶴見辰吾。
朗らかに話す、そこにある冷酷さ。

そこに咲く一輪の花ハン・ジミン。
隠す思いが哀しい。


冒頭からグイグイと引き込まれ、あっという間の2時間20分。
ラストが残す余韻。
お腹いっぱいになりました。
うめ

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