日本統治時代を背景に敵と祖国の間で揺れるスパイの苦悩と決断の顛末を丁寧に描いたこの作品は、いわば大河ドラマのように重厚な映画となりました。
ソン・ガンホは二重スパイとしての迷いや緊張感を終始シリアスに貫禄を持って演じ、コン・ユはクールでいてどこか温かなそのルックスも相まって義烈団の現場リーダーという役どころを違和感無く務め上げ、レジスタンスの団長を演じたイ・ビョンホンは出番は少ないながらもカリスマ性さえ感じさせる程の圧倒的存在感でした。
この3人が一度だけ対峙するシーンは韓国映画史上に残る名シーンでしたね。
それと鶴見辰吾も頑張ってました(笑)。
相手の土俵ではありますが、日本の名バイブレイヤーとして韓国の名優達を相手に少しも引けを取らない名演でした。
複雑な時代背景で一見して取っつきにくい歴史映画のように見えますが、時代に翻弄された男達の悲しき友情の物語としても、スリルあるスパイアクション映画としても一級品のエンターテイメントに仕上がっています