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BLEACHのお湯のレビュー・感想・評価

BLEACH(2018年製作の映画)
3.6
◇原作実写とどう向き合うか

漫画、小説などを継続して読めないタイプの人間なので、こういった読んだことのない有名作品が二時間にまとめられているのは、ありがたい、というのが本心です。(あくまで導入部でしかないことは、分かってるつもり!)
目を開けてるだけで情報が入ってくるのが、映像の良さでもあり悪さでもあり……


映画好きからも、漫画好きからも、タブー視されるようになった、漫画実写映画だけど、
今回は良い化学反応が起きているように思えた!



何よりも杉咲花ちゃんの、演技がスクリーンの枠からはみ出るくらい良い。
原作もので演技を魅せれる女優さんって本当にすごい……泣いた……

専門用語的なことを説明する役割だけど、それほどくどくなく分かりやすい。
声質的に聞き取りやすいし、文書の区切り方、話し方がうまい。
ほとんどのセリフが、ルキアの感情と反しているものだからこそ、その表情の魅せ方が上手いし、演出も花ちゃんの演技信頼してるし……
別れのシーンのルキアの演技見れるのだけで、映画代以上払える。あれ、花ちゃんじゃなかったら、「おい、いきなりどうした」ってなるはず。
表情だけで、何を心の中で言ったか分からせることができるって、どういうこと!?エスパー?


あと早乙女太一の演技とアクションも、鳥肌。舞台を見ないので、演技ま殺陣も初めて見たかも。
今作のアクションシーンに限らず、CGを使うとやはり、やや映像的にチープになる感覚が、私の中である。迫力の代わりに失うものが大きいように思える。

だけど、早乙女太一のシーンは全くそんなにこと無くて、本当にかっこいい。高尚。
吹き飛ばされる姿まで、様になっていて、本物の殺陣を垣間見た気がします。



映像的にも、すごく楽しめた。
映像トリップ大好き民族として、冒頭の連続したはやいカットに興奮した。圧倒されて、覚醒して、映像の中にのめり込む感じ。さすが佐藤監督。


膝上を映した人物のツーショットが多用されてるのが、良い違和感がある。
映像ではあまり見ないけど、これマンガのコマを意識したショット?だよね?

吹き出しが見える、気がする、

漫画実写についての記事で読んだけど、マンガのあるコマを再現するために、広角や望遠のレンズ駆使したり、セットを工夫したりすることがあるらしい。
映像として目にするはずのなかったものが、漫画との表現の融合で見れたりする、っていうことに興奮する。


ホロウのCGも怖くて、良かった。子供のときだったら、泣いてそう。

演技力の差だったり、小道具、セットのあらさだったり、はかなり目立ったけど、
原作未読の私の中では、楽しめた。
(でもやっぱり、町破壊されたのはリアルすぎて、VFXのすごみを感じた。どこからどこまでが本物なのか?)


あ、運良く二子玉川で見たので、ちょっと楽しくなった。川沿いのシーンが映った時、劇場内ざわつきました。
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