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BLEACHのRのネタバレレビュー・内容・結末

BLEACH(2018年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

映画館で。

2018年公開の「BLEACH」の実写化作品。

監督は「図書館戦争 THE LAST MISSION」の佐藤信介。

あらすじ

「幽霊が見える」こと以外は普通の高校生、黒崎一護(福士蒼汰「ラプラスの魔女」)はある日、自らを「死神」と名乗る少女、朽木ルキア(杉咲花「メアリと魔女の花」)と出会い、その死神の力を譲渡されたことで「死神代行」として悪霊「虚」と戦うこととなる。

映画館にて。

少年ジャンプに連載されていた「BLEACH」の実写映画化ということで。

かくいう俺も連載当初から、欠かさず読んでいて、「ONE PIECE」「NARUTO」「HUNTER×HUNTER」に続いて、毎週楽しみにするくらい、少なくとも「破面篇」くらいまでは、ジャンプで1、2を争うくらい好きな作品だった!!

その魅力は何といっても、圧倒的に「オシャレ」な点!!タイトルから始まり、キャラクターの服装、及び台詞回し、また背景、果てはコミックスの扉ページに至るまで、作者久保帯人の他者を寄せ付けない圧倒的な「オシャレ感」が、実にカッコよくてハマってしまった。

そんな思い入れのある「BLEACH」の実写映画化ということで、不安こそあれ実は公開当時からずっと楽しみにしてきた。

やはりというか、ビジュアルが公開されてから賛否両論(主に否ではあるが…。)あったみたいだけど、俺は全然無問題!!

福士蒼汰はフォーゼの頃から好きだし、細身の長身ということで割と合ってたし、何よりあの特徴的なオレンジ色の髪型を割と違和感なく再現できてると思う。そして、公開当時かなり批判が多かった杉咲花演じるルシアも、まぁ漫画版とはかけ離れているとは思ったが、元々好きな女優さんだし、これはこれでアリ!!

予告編もかっこよかったし、これはスクリーンで観るしかねぇと思って早速(といっても結構経ってるが鑑賞してきました。

監督は今年だけで「いぬやしき」も撮っている、佐藤信介。ご存知、大傑作「アイアムアヒーロー」の監督でもある。

ということで、ビジュアル面は概ね満足。

ただ、オープニング及びエンディングの、多分これは一護の剣をイメージしたであろうフォントの「BLEACH」ののぺっとした感じだったり、肝心の始解時の「斬月」や「蛇尾丸」のアップのチャチさがキツかったというのはある。

けど、それ以外の特に「虚」のCG具合はすげぇ良かったなぁ。原作のスマートさは抑えめだけど、その分妖怪チックというかおどろおどろしさは増していて、グランドフィッシャーの緑色の体毛が蠢く描写などは映画ならではの映像技術ですげぇ観ていて爽快感があった。

ここは前述の「アイアムアヒーロー」や「いぬやしき」でもCG技術に定評があった佐藤監督及び担当の「白組」ならでは。ここ近年のビッグバジェットでは、やはりこの両者はトップクリエイターの上位に位置することができると言えるのではないだろうか。

やっぱり、未だに続編の報がない「東京喰種」然り「ジョジョの奇妙な冒険」然り邦画の視覚的技術は飛躍的に上がっていると感じている自分がいる。後はそれを持続させ、ちゃんとヒットさせることが必要なわけだが、それが必ずしもイコールにならないことが難しいというか。

加えて、やはり俳優陣がイイ!!

主演の2人は上述で挙げた予想通り、概ね良かったわけだが、やはり福士蒼汰は「フォーゼ」の如月弦太郎を意識しているようなキャラクター性があったおかげで、こちらもファンなら久方ぶりの「夢の共演」となる「メテオ」、石田雨竜演じる吉沢亮(「ママレード・ボーイ」)との共演が熱い。特に終盤での背中合わせの共闘ショットが、あぁいつぶりだろう、俳優として2人とも大きくなったなぁとライダーファンなら思わずにはいられない感慨があった。

あとは、やっぱりソウル・ソサエティ勢な!!今作では阿散井恋次と朽木白哉が登場して、それぞれを早乙女太一(「HiGH&LOW THE MOVIE3/FINAL MISSION」)と雅- miyavi-(「SUKITA 刻まれたアーティストたちの一瞬」)が演じているんだけど、これがまぁ良かった。

恋次を演じた早乙女太一は「クローズ EXPLODE」の加賀美 遼平を髣髴とさせるような粗野な感じがたまらなくイイ。あとこの人は例え不良キャラを演じていても、やっぱり声が良いよね。特に今作では終盤披露される「吠えろ!蛇尾丸!」の掛け声がスッゲーアガる!!どこまで想定してかはわからないけど、個人的には「ジョジョ」の真剣佑に張るくらいのはまり役だった。また白哉を演じた雅は上品ながら意外とアッパーなあの髪型を地でいってるだけあってビジュアルは完璧。まぁセリフ回しは若干のぎこちなさはあるけど、本業はギタリストなだけあって、少ないアクションでもアクロバティックな舞いにも似たモーションで実に魅せてくれる。

いやぁ、これだけはまり役だとはっきりいって、他の護廷十三番隊の面々も否が応でも「観てみたい」という欲に駆られる…!!

また、アクション面もかなり頑張ってる!!特に終盤での駅前ロータリーのオープンセットで展開される戦闘シーン。

配給のワーナー映画関係者によると「聞いたことのないくらい膨大な費用」「宝くじくらい」と言い知らしめたくらい気合いの入ったセットの中で一護が斬り、雨竜が放ち、恋次が吠え、白哉が舞う。そして、グランドフィッシャーが蠢く。

バトルもアクロバティックなワイヤーアクションが多分に加えられており、惨状となったロータリーで展開される剣戟も見応え抜群!!

製作者は実写版「るろうに剣心」を意識したらしいが、少なくとも個人的には「京都大火編」までの水準には達していると思った(「伝説の最後」の志々雄真実の多対1のバトルは超えてないが)。

といった感じで気合いは十分に伝わるものの、所々の間延びした感じやカバーしきれないチープさ(実写としての限界)も感じてしまったのは事実で、個人的に予告で想定したハードルは超えなかったかなぁという感じ。

あと、ルキアとの別れは明らかにバッドエンド(一護を守るためとはいえ、仲違いでの別れ)で終わっていたのに、その後のラストシーンのナレーションでは杉咲花が割とあっけらかんとした口調だったのはちょい違和感が…。私は罰を受けるけど、お前はお前で頑張れ」みたいな感じで軽く言ってたけど、ルキアさん、不死鳥の業火で焼かれるんスよ?

ただ、ラストシーンのタイトルに反則的に「死神代行編」って加えられていたけど(多分、原作読んでない人はえ?続編あんの?って思ったはずw)はっきり言って「BLEACH」としては面白くなるのはこっからだから!!十三番隊も本格的に動き出すだろうし…だからお願い、続編頼むからやってくだぁさい!!

興行収入的には苦戦を強いられてるみたいだけど、ここまでできたんだから挽回ならぬ「卍解」してもらって次作は頑張っていただきたいなぁ。

まぁこのまま「始解」のまま終わりそうだけど…泣。
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