Masato

ラスト・オブ・モヒカンのMasatoのレビュー・感想・評価

ラスト・オブ・モヒカン(1992年製作の映画)
4.2
激動のアメリカ大陸に映る2組の愛

モヒカンっていうから、なんだか世紀末のヒャッハーな映画か?と勘違いしていました。

この映画は、1700年代におけるイギリス占領下のアメリカとフランスの資源争いからなるインディアン同士の代理戦争。

全く説明なしにこの映画を観ると、単なる恋愛ものであり戦争アクションでもあるのだが、背景を知っておくとこの物語の奥深いメッセージが出てくる。

前述の通り、時代は1700年代のフレンチインディアン戦争の最中。
インディアンが住み着いた先住民であるのに、英国人と仏国人が勝手に移り住み、開拓を始める。それによってネイティブアメリカン達は徐々に居場所をなくしていく。本来戦わないはずだった部族同士が戦う。とても哀しい運命だ。
侵略者を憎むが、主人公は開拓者に助けられた身。そして、恋をした相手も侵略者。
この複雑さが妙な哀しさを生ませる。
その中でできる恋心にもとても悲しさを覚えた。

主人公の視点から描かれるため、英と仏の争いは客観的視点で描かれる。そのため、この戦争はいかに無意味であるのかが強く描かれていた。
それに、モヒカン族だけでなく、インディアンたちも居場所をなくしていく。私達は歴史を知っているからこそ、インディアン達の将来への悲観的なセリフが胸に突き刺さる。
侵略をすることで、何を失い、何を得るのか。それを考え直し、これから起きる戦争はどれだけ無意味なのかを再確認できる。

恋愛ものとしても出来が良く、姉妹どちらかというと、私は妹の恋の方が好きでした。戦争に引き裂かれていく恋を上手く作り上げていました。

イギリスやヨーロッパ諸国がやったことにとても苛立ちを覚える。ネイティブアメリカンを迫害し一部地域に収容させるなど。でも、こうしてアメリカが独立していって、結果アメリカの音楽や映画、文化が好きになった自分。
とても皮肉なものだ。

(ウンカスで笑わざるを得ない。)