SHOHEI

ラスト・オブ・モヒカンのSHOHEIのレビュー・感想・評価

ラスト・オブ・モヒカン(1992年製作の映画)
3.6
イギリスとフランスが北アメリカの領有権をめぐって争ったフレンチ・インディアン戦争の最中。イギリス軍ヘイワード少佐はマンロー大佐の娘、コーラとアリスを砦に届ける任務を請け負うが道中モホーク族の案内人マグアが反乱を起こし隊は散り散りに。その場に居合わせたモヒカン族のホークアイ、ウンカス、そして彼らの父で酋長のチンガチェックはコーラたちを救う。

未開の北アメリカ大陸を舞台にイギリス、フランスによる戦争、そして両軍に翻弄されるインディアン部族の悲劇を描いたアクション。まずフレンチ・インディアン戦争と呼ばれる争いがあったことすら知らなかった。フランス側にインディアンが付いたことが名前の由来だそうだが、実際はイギリス側にも多数部族が付いたとか。結果はもちろんイギリスの勝利で終わったが、この戦争による出費を回収するために北アメリカに住む人々に重税を課したことがのちの独立戦争につながる。またインディアン部族の名前を理解していないと話がこんがらがる。モヒカン族とモホーク族は同じモヒカンヘアだが異なる部族。そこを理解していないと登場人物の立場が非常に曖昧。話自体は無難にまとめられている印象だが重厚さを出すために2時間半くらいはあってもいいと思う。メインのロマンスパートは随分サラッとしていて、特にアリスとウンカスのパートはもっと描き込みが欲しい。クライマックスでアリスがある行動を起こすわけだがそこに至るまでの説得力が足りない。ラストシーンでチンガチェックが「私がモヒカン族の最後の1人」とつぶやく場面、養子のホークアイを横にしてどのような真意で語ったのかがわからない。ホークアイはコーラと結ばれ、もはや文明人ということ?場面場面で流れる音楽は雰囲気を出しすぎていて仰々しい。
SHOHEI

SHOHEI