むぶどん

GODZILLA 怪獣惑星のむぶどんのレビュー・感想・評価

GODZILLA 怪獣惑星(2017年製作の映画)
3.3
突如地球に出没しそれを支配したゴジラと、他種族の力を借りてもなおゴジラの圧倒的な破壊力に押され地球を奪われた人類。それから20年ほどが経過し、生き残った人々が資源不足や移住先に悩まされているなか、ハルオ・サカキ大尉は地球への帰還、すなわちゴジラの討伐を提案する。ポリゴン・ピクチュアズ製作のゴジラ初のアニメ、本作は全3部作のうちの1作目。
シン・ゴジラとは全く違うSF要素盛りだくさんの世界観が面白い(ポリゴン製作の『シドニアの騎士』を思わせるようなシーン・設定も多い)。特にパワードスーツやホバーバイクなどを用いたゴジラとの戦闘シーンは迫力満点で、まさに劇場の大スクリーンで観るべきだと思わされる。また、キャラクターのモデルやモーション、表情の付け方もシドニアや亜人、BLAME!からさらに進化しており、キャラの感情が分かりやすい。虚淵節の効いた展開もお久しぶり感(サンダーボルトファンタジーもとても面白い作品だけども、アレはストーリーそのものはザ・王道だったからね)。
だが、前半がほとんど説明ばかりでなおかつ専門的な言葉も多く使われるため、退屈。その割に一部のキャラクターの行動の動機説明が足りなかったり特徴が分かりにくいキャラクターがいたり(次作以降で説明される可能性もあるが)と、バランスがあまり良くないように感じた。また、両親を殺したゴジラを憎み打倒のために研究を重ねるハルオについてはそれほど疑問はないが、共に戦う周りの人々が彼を慕うのは作中の展開上ちょっと納得がいかない(結局、特にアダムやリーランド、そしてモブ達のキャラ描写が少ないという意見に行き着いてしまうのだが)。
良くも悪くも3部作ものの第1作、という感じ。上映時間が89分と短いのもあり、全体的には物足りないがバトルのアクションや後半のあの展開などは観ていてとても楽しい。これがゴジラにふさわしいのかそうでないのかはほとんどゴジラを知らないためなんとも言えないけれど、少なくともゴジラを知らなくても楽しめる作品なのは間違いない。