最後のテロップで挙げられた、獄中死した黒人たちの名前と死因を読んで、「公式説明なし」となっていた人の多さに腹が立つというか、「説明はしろや」って思う。ここに当時の南アフリカ政府の熾烈な黒人差別の一端を感じることが出来る。2時間半を超えるノンフィクション超大作なのだが、アッテンボロー監督の作品は見ていていつもこんなに長くする必要あるんだろうかと少し疑問に感じてしまう。サービス精神旺盛なのかな?でもその割には地味というか、後半の逃亡劇もそれなりにハラハラドキドキはさせられるのだが、所々惜しいというか、もうちょっと演出工夫できるんじゃないかと思う箇所も少なくない。全体的にはとても上手いとは思いつつも、黒人地区の過酷な環境とかもうちょい詳細に描いてもいいんじゃないかとは思った。デンゼル・ワシントン演じるビコは中盤で退場してしまい、あくまで白人主人公に物語の焦点が当たるという構成もなんかモヤモヤしてしまったが、一応その構造自体に釘を刺すような問題提起もあったので納得はした。