マーチ

トンネル 闇に鎖(とざ)された男のマーチのレビュー・感想・評価

4.1
今日って映画ファンには堪らない日ですよね〜日英大御所映画監督の新作が鬩ぎ合ってますからね!!

ノーランの『ダンケルク』と黒沢監督の『散歩する侵略者』、ベネチア映画祭参加中の是枝監督作『三度目の殺人』が同時公開ですよ!
なんだこの豪華な日は…Xデーですよ、まさに。興行的な面でどの作品が抜きん出るのかも気になるところですね。
タイムラインだと「ダンケ🛥>散歩🚶>殺人⛄️」の順で、『ダンケルク』がやはり優勢かな〜

あなたはどれを観ますか?
私は全部観る予定です(๑>◡<๑) 笑


【下半期鑑賞映画寸評:2017】
《あなたも何処かに隠れている》

トンネル崩壊によってある男性が瓦礫に閉じ込めらたという小さな窓口からの広がり方が半端ない!

究極の極限状態を一瞬で作り上げたことに感服するとともに、開始10分足らずでトンネルが崩壊し、最終的な結論はラスト10分ほどで収まるという約100分も閉じ込められている描写が続く飽きかねない構成にも関わらず、絶望の積み重ねと小出しの仕掛けが連続的に届けられることで、観ている側の緊張感も次第に高まっていくという秀逸な演出がお見事👏👏

ハ・ジョンウの絶望顔は韓国俳優でもトップレベルの情報量! 良作への出演が続いている彼の演技の底力が今作で味わえると言っても過言ではないでしょう(`・ω・´)ノ!

そして、やっぱりぺ・ドゥナが可愛い😍❤️💕 夫を想い続け、献身的な気配りで必死に支え続けるも、度重なる不条理に押し潰されそうになっていく…スッピンに近い(?)美しい御尊顔を拝めることも去ることながら、確かな演技力から伝わるエモさに心を刺激され、何度も泣かされた😢 ほんと素晴らしかったし、ラストの魅力弾ける笑顔には完全ノックアウトされました_(┐「ε:)_ 笑

これまた韓国映画には欠かせない俳優、オ・ダルス兄貴の今作における奮闘が手に汗握る展開の連続で圧倒されました…自分の立場を投げ打ってでも命を救おうとする救助隊員としてのあるべき姿に胸が熱くもなりました。

めっちゃ実話っぽいのに実話ではないっていう…笑 何か元になった事件はありそうですね。

❶まだ生きているかもしれないのに、閉じ込められている男のスマホ📱バッテリー🔋が切れ、連絡が途絶えたからといって、日に日に諦め🤦‍♂️🤦‍♀️ムードが漂う世間。
❷男を探しすために瓦礫撤去していた作業員👷が不慮の事故により亡くなったことで、遺族に責められる奥さん。
❸自分の尿を飲んでまで必死に生きることを諦めず、切迫した状況の中でもがき苦しみながらも救い出してくれることを願い続ける闇に鎖された男。
❹どうせ死んでいると決めつけ、事故によって中断された近くの別のトンネルの建設を利益のために早く押し進めたい政府。(トンネル事故が起こったばかりなのに)
❺面白ければ否応無しに取り上げ、話題が薄まると去り、また盛り上がると訳知り顔で取り上げる都合の良いマスコミ。

この❶〜❺の何処かに必ず“あなた”もいて、「この映画を観て綺麗事を語るだけではダメですよ〜🙅‍♂️🙅」「真に自らの行動を正して下さい」と諭されているかのような教訓的な面も備わっており、マスコミや政府への痛烈な批判も込められているのだから底知れない。その深いテーマ性に驚くとともに、私もこの映画の中の誰かに過ぎないのだという止むを得なさに苦しめられる。

多少長い閉じ込めシーンに飽きを感じるかもしれませんが、それを覆す緊迫した状況の連続によるパニックムービーらしさを感じていただけたらな〜と思います!

なかなかの掘り出し物(トンネルだけに…)なので、是非一度御覧になってみてはいかがでしょうか?
韓国映画苦手な方でも普通に楽しめるはずです!!

韓国映画9割バッドエンド説を覆せているのかどうかは、あなたの目で確かめて下さい(*゚▽゚)ノ

以上、
“とんねるず”のみなさんのおかげでした。


【p.s.】
下半期に突入しましたが、上半期鑑賞映画のレビューをまだ消化しきれていないため、下半期鑑賞映画も一部は寸評で投稿していきます。

いつもとは違い、極々短いレビューで投稿しています。暇があれば付け加える予定です。

従って、いつもの【映画情報】等もカットさせていただきます。

*詳しくは2017年7月3日に投稿している《『ローン・サバイバー』評》内の【p.s.】をご参照下さい。
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