狭須があこ

トンネル 闇に鎖(とざ)された男の狭須があこのレビュー・感想・評価

4.0
韓国映画だしどうせ最後死ぬんでしょ???

ハジョンウは私の記憶ではお嬢さんをいじめてた人なので、いいやつなのかよ!この顔で?この顔で?って序盤はちょっと半笑いだったけど、それは私が完全に間違いでした。

あ、この人って顔が胡散臭い人じゃなくて、表情がめっちゃ上手い人だったんですね
明らかに「そんなことしたらおれも死ぬかもしれないのに」「自分の命を優先すべきだろうか?」という表情を一瞬浮かべるのが、絶妙。

そして葛藤にケリをつけるために、「こうしないと自分が人間でいられないから」「そうやって生き延びても後味が悪いから」って自分を納得させて動くではなく、迷いながら、まだ結論の出てない顔で手を差し伸べる。
いや~、コレにとても人間を感じた。
いい映画ですね。

「でもまぁ、尺のぶんの二時間は生きてるんやろ?」という薄汚いきもちで、「トンネル暗いし、動きなさそーやしなぁ」と思いながら見てたけど、 動く動く。ハジョンウの表情と感情が動く動く。
しかもなんか、韓国って動物まで演技がうまいんだよな。

多分、「全く同じ境遇になる」ってところなんでしょうね~
同じ境遇の人の気持ちは理解できる。自分と同じだから。だから、助け合う。
「相手の気持ちを想像しなさい」とか言うけど、マジで人間って、「なってみないとわかんない」んだろうな

世間や偉い人たちは、冷たいんじゃなくて、そもそも想像ができてない。
「全員トンネルに閉じ込められたことがある」人たちなら、違うことを言いそうな気がします。

あと奥さん、絶望ってあんなに人を蝕むものなんですかね。
私も同じ境遇になってないのでわかんないですが、自分を殺して他人に気を使おうとする性格が、単に似た者夫婦なのかもしれないな。
でもなんか、一生後悔しそうな気はする

人生って何が起こるかわかんないね。ボケボケジジイに出会ったのが怪我の功名になるなんて、普通思わないもんな。私もスマホの電池温存しながら生きようと思いました。

でもインフラ整備はちゃんとやってほすぃ
狭須があこ

狭須があこ