あしたか

トンネル 闇に鎖(とざ)された男のあしたかのレビュー・感想・評価

2.8
[あらすじ]
ジョンスが山中のトンネルを運転していると、突如トンネルが崩落し彼は車ごと生き埋めになってしまう。周囲は巨大なコンクリートの残骸に囲まれ、手元にあるものはバッテリー残量78%の携帯電話、水のペットボトル2本、そして娘への誕生日ケーキだけだった…。

閉塞感★★★★
怖さ★★★
サスペンス性★★
人間ドラマ★
苛立ち★★★★★


比率で言うとサバイバル:人間ドラマ=3:7くらいの割合なので、本格的サバイバル劇を期待してはいけないというのがまずある。

似たような設定の映画として『リミット』や『127時間』があるが、サスペンスとしては前者に劣るし、人間ドラマとしては後者に劣る。
ではこの映画の特徴として一体何があるのかというと
・鬱陶しいマスコミ
・理不尽な対応をする行政
・観客を苛立たせる登場人物たち
等がある。
正直言って感動的な要素も緊張感溢れる救出劇もほぼ無いし、あるのは韓国映画らしい内紛(ゴタゴタ)や回避できた筈の人間の過失によるトラブルだけであった。
冒頭の119番のクソ対応ぶりにいきなり苛々させられたが、全編通してそんな感じだったのは残念極まりない。

もはやマトモなキャラクターは救急隊のキム隊長と主人公の奥さん(ペ・ドゥナ。可愛い)だけ。
なんだってこんなストレスの溜まる作風にしたのだろう?社会批判がしたいならもっと他にやり方はある筈。

電話でキム隊長と友情を育むという『ダイ・ハード』的な燃えポイントがあるのかと思ったらそういうのも無し。ガッカリ。
ただ、最後のサムズアップには笑った。

良いところもある。
崩壊したセットの迫力は立派だし、閉じ込められた閉塞感はかなりのものだ。また途中で挿入されるワンちゃんとのコメディリリーフも和む。


お互いが足を引っ張り合うような作品ではなく、国民が一丸となって危機に立ち向かうような作品が見たかった。
…って、日本には既にそういう作品があるじゃないか。シン・ゴジラを見よう。