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否定と肯定のTOTのレビュー・感想・評価

否定と肯定(2016年製作の映画)
3.7
表現の自由を守るには、表現の自由のもとに嘘をつく者にNOを言い続けなければいけないし、その嘘を精査し続けなければいけない。
ホロコーストは勿論あった。この裁判でこの男に負けるなんてありえない。
そう思いながら最後までハラハラと確信できないのがポスト真実の恐ろしさ。
それを淀みなく伝えるデヴィッド・ヘアの脚本と、正統派なミック・ジャクソンの演出、名優の素晴らしい演技!
ティモシー・スポールは怪演し、トム・ウィルキンソンは法廷の内と外を剛柔たくみに演じ分け、レイチェル・ワイズは真っ直ぐな魅力で、アンドリュー・スコットはセクシー。
いまでこそ見たい題材を的確に見せてくれるスタッフキャストの仕事に引き込まれて見終えた後、両論併記の危うさをも説く作品にこの邦題かと薄ら寒い気持ちになる。
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