ごてふ

否定と肯定のごてふのレビュー・感想・評価

否定と肯定(2016年製作の映画)
4.0
日比谷シャンテ・シネにて。BBC制作の重厚は法廷モノに場内勤め人風中高年中心に8割越えと盛況。都内単館ではありますが・・。ホロコーストなどなかったという英国学者が自書を中傷した米国学者を名誉棄損で訴える裁判の顛末。実話が基とは驚いた。時間が経過すると歴史的事実さえも歪曲される怖さ。極右とか秘密結社とか、狂信とも呼べる確たる信念が最も恐ろしい。英米の司法制度の違いや、被告と収容所からの生き残りには証言をさせない、という弁護団の戦略など、知らないことを随分とお勉強させて頂いた。『アンネの日記』は創作だったとか、『原子爆弾』など何処にも落ちなかった、と力説するネット上のサイトがあるそうで、事実など幾らでも«捏造»されてしまう。役者は皆々良かったが、オランダ(父)とイタリア(母)双方ともユダヤ系の血を引くレイチェル・ワイズの演技が素晴らしく適役でありました。
ごてふ

ごてふ