ぴな

否定と肯定のぴなのレビュー・感想・評価

否定と肯定(2016年製作の映画)
3.5
法廷ものが大好きなので、これもとても興味深かった。
イギリス式だと、提訴された側が証明するということを知らなかった。

ホロコースト被害者の証言を、亡き者に声を、アウシュヴィッツがいかに残虐で悲惨な歴史を刻んだかということを裁判で訴えるべきだという、というデボラの言い分はとてもよく分かる。
が、客観的に観ていると弁護団の方針は筋が通っているし、法廷に立たせないことで不遜な男から生存者達を守りたいという考えにも激しく同意。
情に訴える手法があるのと同様に、『ただ感情的になっている』と思われてしまっては不利益でしかない。
落ち着いて、デボラ・・・

と思っていたところからの、リチャードの用意周到な反論にもう拍手喝采!
そして、彼の真意を知ることとなったデボラとリチャードのやり取りがあって良かった。

それにしても、レイシストは自らがレイシストだとは認めないんだね…
世の中にこういった類の人達がたくさんいることにゲンナリする。
日本にもいるよね。
ホロコーストはなかった、南京大虐殺はなかったと言い張る著名人。
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