何度目かの鑑賞。
ジブリという現場はジブリ作品より面白いと思わせてくれる映画。
「創りたい作品へ、造る人たちが、可能な限りの到達点へと、にじりよっていく、その全過程が、作品を創るといういうことなのだ」
宮崎監督の映画作りへの言葉である。
監督の映画作りは週刊連載のような作り方なので結末が最後まで二転三転する、監督自身がどういう作品を作ろうとしているのかわかっておらず、絵コンテを描く中で模索している、その中で苦悩が垣間見れるシーンが何度もあり、それが上記の「にじりよっていく」という過程を体現されている瞬間で、個人的にはそこが大きな見所。
そして問題が1つの解決を見た時、観ている自分も快感を覚える。
勿論、製作過程も全て記録してあるので、当時初めて観た時に感じていたタタリ神のおどろおどろしい声の謎や、乙事主の神秘的な身体の表現方法などが解き明かされる(声の謎は、喉に小型マイクを貼り付けて声帯の震えも一緒に撮っていた)のも今作の見所。
鈴木さんの明快な喋りや貧乏揺すりしながら話す姿がとても面白い。