◆あらすじ◆
1977年、20歳のコリーンは友人の誕生日を祝うためにヒッチハイクで友人宅に向かっていた。キャメロンとジャニスの車に乗せてもらえたコリーンだったが、そのカップルはコリーンを拘束し、そのまま自宅まで連行され、鞭を打たれるとともに狭い箱に閉じ込められる。
◆感想◆
1977年に誘拐されたコリーンが犯人たちに7年間奴隷にされた姿を描いた作品であり、彼女の尊厳を徹底的に破壊しつくす犯人たちの異常さが観ていてかなり苦痛でした。これが実話であることが信じられないくらい、コリーンが味わった苦痛と恐怖は計り知れなかったです。
コリーンは心優しいですが、容易く相手を信用してしまう部分があって、その危うさを感じました。女性一人でヒッチハイクで移動するというのも不安しか感じず、アメリカではこれが普通なのかと疑問に感じました。そして、20歳ということで警察も捜査してくれないという状況が悲劇に拍車をかけていました。
誘拐犯のキャメロンは人に痛みを与えることで性的欲求を満たす異常な人間であるとともに、散々、コリーンを痛めつけた後に言葉巧みにコリーンを洗脳して奴隷にしてしまいます。奴隷になってから飴と鞭を使い分けて、コリーンの信用を得る部分も憎たらしくて仕方がなかったです。一方、キャメロンの妻のジャニスもコリーンを奴隷としてこき使いながら、キャメロンとコリーンの仲に嫉妬していじめ倒す異常な人間であり、その癖、キリスト教を信奉して自分の罪に恐れていて、非常にムカつきました。
ストーリーの大半がコリーンが奴隷としてキャメロンとジャニスにいたぶられるシーンであるために、心理的負荷が重く、観ていて苦しい作品となっています。ラストに至るまでがかなり長く感じましたが、その結末を観ずにはおれないものになっていました。
観ていて苦痛な作品でしたが、コリーンの感情の機微がしっかりその表情から伝わってきて主演のアディソン・ティムリンの演技がとても良くて、心に突き刺さるものがありました。観て良かったと思います。
鑑賞日:2024年8月3日
鑑賞方法:Amazon Prime Video