卒業式を終えた高校生男女の一時を描いた短編作品。
緩やかな空気と、ありふれた何でもないやり取りの一時。
だけど、その“ありふれた”の中にはそれぞれの想いがあって、でもそれをストレートには出せなくて、だからそういう時間が甘酸っぱくて、その時の彼ら彼女らにとっては普通でも、後からとても大切だったなと思える時間。
学校は社会の縮図として人生を学ぶ場所だと言いますが、卒業をして“別れ”までを含めて学ぶ場所なのかもしれません。
また戻りたいけれど戻れないからこそ貴重で、ずっと時間が経ってから戻れないあの時として思い出す事で温かい気持ちをくれる、素敵な記憶。