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それからのこと、これからのことのtetsuのレビュー・感想・評価

3.5
まもなく、動画配信サービスが終了(6/28まで)してしまう青山シアターで滑りこみ鑑賞。

卒業式の日、「別れ」を目の前にする同級生たちと、後輩の女子高生。
2つのエピソードで描く、「それから」と「これから」の物語。

今回は2編からなる作品だったので、それぞれの感想でレビュー。

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『それからのこと』
卒業式が終わった後、集まった4人の男女と、前日の2人きりの教室。
「別れ」を目前に控えた男女の1コマ。

『左様なら』の主演・芋生悠さんと石橋監督が、それ以前に組んで制作していた作品。
主人公が思いを寄せる男子高校生役は、『ぼくらのさいご』に続いて、笠松将さん。
誰にでも訪れる「青春の終わり」の切なさが数分間に閉じ込められた名作短編。

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『これからのこと』
美術部の先輩に思いを寄せる後輩。
卒業式の後、屋上で彼と会った彼女は……。

『それからのこと』と絶妙に話が繋がる、もう一つの物語。
「同級生同士の別れ」というテーマが描かれた『それからのこと』と、並列するように描かれる「先輩と後輩の別れ」というテーマが絶妙。
2つを合わせてみることで、よりお互いの「別れ」の切なさが重層的に見えるような気がした。
お互いの会話からだけでなく、表情や、その後の行動で心情が表される描写が秀逸だった。
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