マクガフィン

ジムノペディに乱れるのマクガフィンのレビュー・感想・評価

ジムノペディに乱れる(2016年製作の映画)
3.1
深刻なスランプに陥った映画監督が喪失を抱き、様々な女たちと対しながら袋小路を抜け出そうと足掻く、滑稽で切ない一週間を描いた物語。
日活ロマンポルノ・リブートの第1弾。DVD鑑賞。

過去の栄光にしがみつき、孤独を抱かえた映画監督が自暴自棄に女たちの肌のぬくもりを求めて彷徨い発散する。
空虚感あるダメ男に惚れて翻弄される女たちから金を盗んだり援助を受けたりなどクズでゲスで、セックスや金を求めて狼狽するが、それが監督としての没落の起因である。

求めるものや求められるもの・得られるものと得られないものを映画界や芸能界の狭い世界のディテールの映像や表現と板尾創路の物語に滑稽さと哀しさな質感をもたらす演出で趣向を凝らすが、説得力とリアリティは欠ける。

普通は静かな場面で流される知的で癒し的なジムノペディのBGMが、濡れ場の度に流れるギャップが作品と主人公の滑稽さと悲哀を焙り出すのだが、毎回流れるのはどうなのか。