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牝猫たちのhynonのレビュー・感想・評価

牝猫たち(2016年製作の映画)
3.8
10分に1回濡れ場を入れなければらない。
こんな制約のもとで、この映画のようにシリアスでリアリティのある人間ドラマをつくるなんて、凡人には不可能だろう。
コメディか、安っぽいAVになってしまうに違いない。
まずそこが素晴らしい。

この制約のもとで、白石和彌監督が挑んだ「日活ロマンポルノリブート」作品。
10分に1回もあったっけ?と思うほど無理なく自然に盛り込まれているのがすごい。

さらに、人間描写がすごい。生々しい。
登場人物たちの微妙な距離感や、何気ない会話がおもしろくて、見てて飽きない。

場面転換後のたったひとことの台詞によって、数ヶ月の時が流れふたりの距離が縮まったことがわかるシーンなどは、非常に上手いなと思った。

個人的な好みで言えば、後半の感傷的な演出はちょっと過剰すぎるかな、と。

派手さはないけど、同じ監督の「彼女がその名を知らない鳥たち」と同じくらいおもしろかったと思う。(他の作品は未見)
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