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君の名前で僕を呼んでのkarmapoliceのレビュー・感想・評価

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
3.5
Call Me By Your Name:ルカ・グァダニーノ監督、ジェームズ・アイヴォリー脚本、ティモシー・シャラメ、アーミー・ハマー主演、サヨムプー・ムックディプローム撮影、2017年イタリア、フランス作品。原作はアンドレ・アシマンの同名小説。

かなり名作と呼ばれていてる作品。身近に居た事が無いので殆どピンと来ない。なのでLGBTに対して差別や嫌悪感のようなものもおそらくそんなに無い。ただゲイものの映画には少ない鑑賞数ながら、けっこう苦手な作品の方が多いイメージだ。

この作品は凄く観易い。北イタリアのロケ映像も美しく、街並みや自然など全編配色や構図の美しい映像が楽しめる。それだけでなく主人公2人の捉え方もまるで美しい一つの光景かのように描かれていると思う。2人の禁断めいた恋路は、周囲の差別や偏見や理解に悩まされることもなく、あまりに淡々と進行して行くのでドラマチックではない。他の殆どのゲイ作品は逆境に立たされる彼らを応援するような視点が多かったので凄く新鮮だった。

音楽も素晴らしくてメインテーマの「Mystery of Love」スフィアン・スティーヴンスもけっこう良かった。しかし全編のBGMは殆ど耽美派のモダンなピアノ曲ばかりで統一されていて、これが抜群に合っていたと思う。坂本龍一のピアノ・バージョンの「M.A.Y. IN THE BACKYARD」「Germination」の2曲も使われていてなかなか良かった。

ドラマチックな展開があまりないのに、わりとラストまで惹き付けられるのは、ティモシー・シャラメの不思議な魅力や演技力なのか?それとも自分の潜在意識の奥深くに、少しは共感するものでも潜んでいるのか(笑)??「砂の惑星」行けたら行きたいかな(笑)
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