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君の名前で僕を呼んでのmimiのレビュー・感想・評価

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
5.0
今更だけど観て超よかった!

まずラコステポロシャツ短パン素足で過ごす北イタリアの夏が絵的に最高でしょ、そうして観ていると死ぬほど切ない恋が待ち受けてるの…「何ひとつ忘れない」とオリバーが言ったように、一瞬一瞬が尊くて切実で何ひとつ目が離せなかったよ。

エリオ、お顔をぐにっとしたくなる美少年。

「女性の視点が欠落した作品」とのレビューもあるらしいが(エリオが性への興味と衝動を満たすためにガールフレンド(でもない)を利用し、それを誰も咎めないから)この作品はエリオが主役だからいいのではないか。

映画の外でガールフレンドは彼女の友達に慰めてもらっている…はず。

制作陣に、同性との恋愛経験者がおおいのと「散々傷ついてきたからこのくらい許してよ」というのは関連あるのかな?

その甘えがいかにも17歳っぽいし、ふつうに膝枕されたり、抱きついて甘えんぼしちゃうでしょ。自分は甘やかされていい存在ってわかってるところが、いかにもなんだよなあ。

プラムのくだりも、同じ曲をリスト風に弾くとかバッハ風に弾くくだりも、教養オブ教養でいい。知性以上のエロなし。

鼻血のあとのマッサージ、嘔吐のあとのキス、結婚報告のあとの僕の名前。僕は君になりたかった。君は僕よりずっと。

しばらく経って、これから寂しく閉ざされた冬がしばらく続きそうな時期に、失恋が確定。もう一分一分がつらくて瀕死の状態だろうな…

夏に父親が言った「早く傷を治そうとして心を切り取ってはいけない」的な話がよかった、よかったしわかってるけどめちゃくちゃ苦しいし、一刻も早く楽になりたいよね。

食事の準備が着々と進められるリビングの暖炉のまえで泣けるのは、愛と教養のあるエリオの家だからこそ。最後まで超よかった。

ユダヤ人の同性愛ということで次はまえから気になっていたロニートとエスティを観ようかな。ロニートとエスティはもっと閉鎖的な気がするけど…
(こちらは黄色と青、向こうは赤と黒みたいな感じだもんね)

ティモシー・シャラメつながりでフレンチ・ディスパッチも観たーい!
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