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君の名前で僕を呼んでのchiのレビュー・感想・評価

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
4.5
言葉にしたら何だか陳腐なものになってしまいそう。それくらい優しくて美しい映画だった。
ララランドみたいに切なくて、ビフォアサンライズみたいにロマンティック
本気で人を愛したことがある人なら、観終わった後みんなこの気持ちになっているはず。

17歳の少年と、24歳の青年の恋の物語。
一見、LGBTという括りなのかもしれないけど、この映画のテーマは多分そこじゃなくて、誰しもが経験したことがあるような恋愛の葛藤や喜びや切なさだと思う。
2人の心の揺れ動きを日常の些細な部分に織り込ませながら、本当に繊細に描かれていた。
それは2人の表情からも読み取れて、その演技力に圧倒させられた。
何かを渇望しているような眼差しをするティモシーが魅力的すぎて死ぬかと思った


やっぱり題材が題材だけに、官能的なシーンも出てくるけど、全然下品じゃない。身体で魅せるというより、表情で魅せる、という感じだし、あくまで、2人の心の動きを表現してる。


題名の「君の名前で僕を呼んで」の意味がよくわからなかったけど、彼らがお互いの名前を呼んでいるのを観ていたら、めちゃくちゃロマンティックで、切なくなった。


彼らにとってあの夏の日々は、特別で、特別で、特別で、
もう二度と手に入らない大切なものだったんだろうなぁと思うと涙が出る。
だからこそ、ラストシーンのエリオの表情が心を掴んで離さない。



"何ひとつ忘れない"
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