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君の名前で僕を呼んでのmarikabraunのレビュー・感想・評価

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
4.5
音楽がスフィアンスティーヴンスとのことで待ち焦がれていたため試写会にて鑑賞。ひとつの関係と心の揺らぎを気前良く見せてくれる、痛みを帯びながらも観る者の希望や光になるような映画だった。主演二人のあり余る魅力、アピチャッポン映画でお馴染みの撮影監督サヨムプーによる映像の美しさ、何と言ってもラストでの父親の台詞が泣かせてくる。人は悲しみから逃れるために心を削ぎ落としてしまうが、痛みを葬らず、そこにあった喜びと共に受け入れること。愛してるなんて言葉が軽薄に聞こえるほど、君の名前で僕を呼ぶことでひとつになれたような気がしたあの瞬間を、焼き付けて忘れないようにしたいと思う。
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