完璧の美しさ。
ただただ圧倒された。
ラストシーンのエリオの父がエリオにソファで語りかけるシーンを見返すためにわたしは何度この作品を見たことだろう。
「痛みを葬るな」
この言葉に何度わたしは涙し、自分のことを大切にしなければと思ったか。
辛いことや悲しい別れでも、必ず幸せで彩り豊かな記憶がある。
大切なそれらの記憶を悲しみと共になかったことにすることは、とても勿体ないし心を擦り減らす作業だ。
辛いことや悲しいことから逃げて心を擦り減らしてきた大人がどれだけいるだろう?
今からじゃ遅いかもしれない、とは思ったが私はこの映画と出会ってから悲しみから逃げない約束を自分と交わした。