この映画は二人の人間の心が通じ合う様を誠実に、真摯に描いた傑作だ。
実際、この物語は男女でも成立するし、たまたま恋に落ちた相手が男だったというだけなのだ。
男同士のまぁまぁ過激な場面があるので「エッ」となるシーンもあったが、恋人同士の間であればごく自然な行動だと思うのでリアリティを追求する制作陣のプロ意識に頭が下がった。
かつかなりきわどいシーンも体当たりで渾身の演技をしたティモシー・シャラメ、アーミー・ハマーに拍手を送りたい。
だがそこはメインではなく、どちらかというと反発していた二人が徐々に惹かれあっていることに気づき、少しずつ距離を縮めて行く心の揺れ動きを、美しい映像と音楽に絶妙に調和させているからこそこの映画は素晴らしいのだ。
ぜひこの瑞々しい感動をスクリーンで観てほしいと思う。
映画のキャッチコピーが「何ひとつ忘れない」なのだが、生涯忘れることのできない人を愛することの尊さ・歓び・そして1人の少年と青年の成長を描く、まばゆいばかりの輝きを放つ傑作であることは疑いようのない事実。
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