カナエ

君の名前で僕を呼んでのカナエのレビュー・感想・評価

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
5.0
フランス語、英語、イタリア語、それぞれの言語のリズムや言い回し、特有の雰囲気を大切に紡がれていく会話に心を掴まれた。合作だから成せる技でしょうか。すごく美しくて、こんな映画ができるのか!と言語好きとしてわくわくしました。

思春期のエリオが自分の感情や衝動に悩まされ、ときには罪悪感すら感じて自分を責める姿がとても丁寧描かれており、その純粋さが眩しくて愛おしかったです。

エリオとオリヴァーのひと夏の、そして一生の恋がとても苦しくとても幸せだった。

100回同性愛について説明されるより、1度この映画を見たほうが感情的な理解ができる気がする。
エリオのご両親はとても温かく見守ってくれていて、けれどあんなに優しい両親でもエリオが諦めなければいけない未来を見ているのが当時の世の中をうつしていて切ない。

「アデルブルーは熱い色」を観た時も思ったのですが、直接的な言葉にしなくても、表情やちょっとした仕草から全身で気持ちを表現できる俳優さんや監督さんはすごいなあ。

初恋を思い出しました。自分と重なりすぎて最後は声を出して泣きそうになりました。
最高だった。もう一度観に行こうと思います。
カナエ

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