ゆき

君の名前で僕を呼んでのゆきのレビュー・感想・評価

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
3.8
限りある夏、感情は無限に広がる。

避暑地で家族と友人と過ごす夏。17歳のひととき、初めての感情を向けたのは24歳の青年だった。

なんとも美少年。完璧ではない肉体に感情。
彼を囲むのは理解のある両親に同年代の感受性豊かな友人たち。
17歳の同じ時間は二度と来ない。儚いけれどとても美しかった。
繊細な目線はカメラワークにも反映されていて、何気ないワンシーンがとても大切だったりするんです。

彼の恵まれすぎた境遇や対照的な青年二人の感情の矛先に少し入り込みきれない部分もありつつ。
美しい風景や様々な言語が持つ雰囲気や飛び交うリズムを堪能できる作品でした。
思春期の子供に寄り添い、選び抜いた言葉を与える両親の姿は胸が詰まる。

大人になれ。そう指し示すかのように儚い雪景色と共に訪れる余韻はとても不思議な感覚で帰り道を満たしてくれました。
ゆき

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