お父さんの言った「痛みを葬るな」のセリフに涙涙。エリオに語った言葉ひとつひとつが良すぎて、一言一句書き留めたいぐらい。ほんとにいい映画だった。こんなにも沁み渡るとは。
オープニングから「お、このかんじは多分好きだな」と直感的に思ったらやっぱり。
北イタリアの一夏。太陽が燦々と降り注ぎ、木々がさわさわと揺れる中、チャリンコで2人で走るシーンは最高だった。
ザブンと飛び込んだ水の音や虫の声、食器が擦れる音など、映像と共に音が素晴らしい仕事をしていた。イタリア語ってすごく耳障りがいいなぁ（イタリア人のおっちゃんとおばちゃんがまくし立てるシーンは笑ってしまった）。
主題曲の「Mystery of love」もよいし、坂本龍一の楽曲もよい。
初めて気持ちを打ち明ける場面での駆け引きするかんじはこっちまでソワソワしてしまった。通じ合っているのに気持ちを抑えたり、でも抑えられずぶつかったり、このかんじは性別とかそんなの関係なく共感できる。真夜中の待ち合わせを楽しみに、まだかまだかと腕時計をずっとチェックするところがなんとも可愛かった。
エリオ役のティモシー・シャラメがひたすら美しい（インターステラーに出てたんや！どの役？！）。トーキングヘッズのTシャツ＋短パン着こなすあたりが抜群にオシャレ。
そして最後、長回しのシーンでの表情だけの演技に拍手を送りたい。「痛みを葬るな」をまさに体現していて、心に馴染ませ刻み付けているようでまた涙。
自分が感じたことが全て。一瞬の気持ちも大切にしようと改めて思えた素敵な作品。
