愛と呼ぶにはまだ無知で
恋と呼ぶにはあまりにも儚すぎて。
彼の胸を掻き立てるのは確かに
初めて知る想いと衝動で。
何も知らなくて良かった
何かを知れて良かった
心の中に残る「それ」が
苦い傷として残ったとしても
人を恋しく思う基準値に
彼がなっていってしまっても
いつか淡い思い出になる日が来る
それまでそうっと蓋をして、
魂が擦り減りそうになったとき
宝箱を開けるみたいに思い出せばいい
眩しくて君は笑うかもしれない
それでも愛おしいと思えるだろう
どうか、彼が彼のままで
何も否定せずに生きていられるように
ぐっと苦しめられるこの胸は
幼い頃の思い出が途轍もなく
大切な記憶だからと、今更気づいた
きっと人生は途方もなく長くて
苦さというものは
いつの間にか飲めるようになった
ビールみたいに慣れていくものなのだと
期待はしていたけれど
期待していた以上に良かった、、。
夏の音、色、肌、光、
全てをこの目に閉じ込めておきたい
ラストシーン、鳥肌立ちました