ヒナ子

君の名前で僕を呼んでのヒナ子のレビュー・感想・評価

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
4.2
愛と呼ぶにはまだ無知で
恋と呼ぶにはあまりにも儚すぎて。
彼の胸を掻き立てるのは確かに
初めて知る想いと衝動で。

何も知らなくて良かった
何かを知れて良かった

心の中に残る「それ」が
苦い傷として残ったとしても
人を恋しく思う基準値に
彼がなっていってしまっても
いつか淡い思い出になる日が来る
それまでそうっと蓋をして、
魂が擦り減りそうになったとき
宝箱を開けるみたいに思い出せばいい

眩しくて君は笑うかもしれない
それでも愛おしいと思えるだろう

どうか、彼が彼のままで
何も否定せずに生きていられるように

ぐっと苦しめられるこの胸は
幼い頃の思い出が途轍もなく
大切な記憶だからと、今更気づいた
きっと人生は途方もなく長くて
苦さというものは
いつの間にか飲めるようになった
ビールみたいに慣れていくものなのだと


期待はしていたけれど
期待していた以上に良かった、、。

夏の音、色、肌、光、
全てをこの目に閉じ込めておきたい

ラストシーン、鳥肌立ちました
ヒナ子

ヒナ子