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君の名前で僕を呼んでのmegのレビュー・感想・評価

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
5.0
南イタリアの美しい景色とゆっくりとした時の流れで、たくさんの人で溢れかえっていたはずの映画館なのにまるで一人っきりかのようだった。

まずタイトルがなんて素晴らしいんだという驚き。ぶっちゃけはじめは意味がわからないと思った。だが劇中で一瞬にして謎が解ける。これはまさに「君の名前で僕を呼んで」だ。

同性愛者が厳しい世間の目と戦う映画はいくつも存在するが、この作品はひたすらに純愛を描き通したと思う、好きで好きで仕方がない、まさにラブストーリー。
華奢で美しく哀愁漂うエリオと、その真逆にいかにも男性的なオリヴァー。年齢の差も相まってお互いに取る行動が沁みる。
エリオがオリヴァーに惹かれていく過程も、さまざまなことで虚しさを埋めようとする様もなんとも見ていて初々しくて危うくてそして美しい。
そして後半の迫り来る涙腺攻撃。苦しい。

同性の恋愛こそプラトニックラブとされていた時代から現在のLGBT差別な世界に移るにはどんな時代背景があったかわからないが、性的な愛は生き物として極めて正常だし、知性を持つ人間が他人を愛するための理由付けが「異性である」だけなわけもない。
ゆえに異性を好きになることも同性を好きになることも正しい。自分の好きな人が実は女の子だったとしてもずっと好きでいられると思う、好きという感情はそうでなんとなくそうあってほしい。
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