しどけ梨太郎

君の名前で僕を呼んでのしどけ梨太郎のレビュー・感想・評価

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
5.0
原作未読。

思春期好き好きボイーズなので大好きな作品だった。桃オナニー。
「オリヴァーの小便の音に耳を澄ませるエリオ」でノックアウトされてしまった。

BLにセックスシーンは必要かどうか問題と絡むと思うけど、1つの愛の結晶というか到達点としてセックスが置かれていて生々しさよりは清々しさの方が優っていた。そう感じられるような見事な演出だった。

人間の恋愛の、「まず人間として出会い、相手を神格化し、相手がまた人間に戻る」という過程が丁寧に、そして素直に描かれていた。聖痕はあからさまだけども。人間に戻った相手を愛せるかどうかっていうのがつまりは真実の愛だと思うので、セックスを通して互いに人間に戻ったエリオとオリヴァーがそれでも互いを愛しく思い続けているのはまさしく真実の愛ってやつだと思う。

終盤で父に「オリヴァーはオリヴァーだ」とエリオが言った時にとても悲しくなってしまった。それは「オリヴァーはエリオでエリオはオリヴァー」だったのにそれを否定する、距離を置こうとする、忘れようとするセリフだから。しかしそのセリフがあったので電話のシーンで号泣してしまった。そして最後にエリオが「エリオ」と呼ばれて振り返った時も悲しくて泣いてしまった。少し残酷なラストだと思った。でも思春期を終えて大人になるってのはつまりそういうことだと思う。

マルシア役の人(エステール・ガレル)がめちゃくちゃ好みだった。顔付きとか目付きとか。
ティモシー・シャラメの腋毛が良かった。エリオが割と早漏で笑ってしまった。