MasaichiYaguchi

君の名前で僕を呼んでのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
3.9
アンドレ・アシマンの同名小説を「眺めのいい部屋」のジェームズ・アイボリーが脚本を担当し、「胸騒ぎのシチリア」のルカ・グァダニーノが監督した本作では、1980年代のイタリアの美しい避暑地を舞台に17歳の若者の初恋が瑞々しいタッチで描かれていく。
ただ、主人公エリオの初恋相手は年上の青年オリヴァーなので同性愛が描かれていくのだが、この手の作品に抱く先入観を、本作は冒頭からイタリアの陽光を感じさせるような音楽と映像で払拭していく。
光を反射してキラキラする水面、風によって木の葉が擦れ合う音、草いきれや夏の果実の香り、躍動する古代ギリシャ彫刻のような若者達の裸体、そのような夏の風景の中で年の離れた若者達は心身共に徐々に触れ合い、やがて互いに生涯忘れられない存在になっていく。
年の差カップルだと、どうしても年長者が主導権を握りがちだが、オリヴァーは先ずエリオのことを考えて接していく。
そして、そのエリオを何よりも大切な存在として扱う両親の温かさ。
特に考古学教授でもある父親のバールマンがエリオに終盤の方で語った言葉には思わず胸が熱くなった。
初恋には終わりがある。
エリオの感情が静かに心の襞に染み渡ってくるようなラストが余韻を残します。