よあしい

君の名前で僕を呼んでのよあしいのレビュー・感想・評価

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
4.0
確かに綺麗。確かに美しい。確かに素晴らしい。けれど、それ以上のものはない。感情移入することもなければ、どうしようって話でもない。シーンひとつひとつが切り取って額に飾れるレベルには美しくて、俳優ふたりの美しさは本当に神秘的を超えたものなんだけれど。

素直にこれは「ひと夏の恋」、女の子と付き合うこともできるということは、彼らはバイセクシャル。ガールフレンドでもない子、きっと「保険」であった彼女とエリオが交わる姿は痛々しかった。彼が好きなのに、彼が避けるから、女の子とかかわりを持って自分を保とうとした?。

オリバーはエリオの好意を知り、どうしたら正しい大人として対応できるのか、そして他人に知られず愛しあうにはどうしたらいいのか悩んでいた。

こういう映画だというのはわかっていたけど、その描写の多さにちょっとめまい。ここまでするか…っていうシーンと、意外とふたりの交わりは美しく簡潔。でもエリオと上手い描写の桃は大分官能的。
うーん。どういう目線で見ればいいんだ。

腐女子と呼ばれる人たちには喜べる映画かもしれないけどね…。
もう少し中身があるのかと思ったら、エリオの日記みたいな感覚で映画が進んでいったので、そうかあ。って感じ。

知りたいことがたくさん残ってしまう作り方。詩的な映画と言えば響きが良いのだろうけれど、彼らは思っていることをなかなか口に出さず、そういう喧嘩もない。ただ見つめあったり、触れ合うだけで、言葉がない。
だから愛なのだろうけれども、何も知らずに見ているこちらとしては、「何が起きてんの」って感覚。

いつ”好き”になったのかの境界線があいまいなのは、リアルの恋愛だってそうだから…仕方ない。でもとても上手。やっぱり詩的な告白でちょっとかわいく見える。

なんだか、なあ。って感じで、2度は見たいと思わないし、誰かに勧めたいとも思わない。ただ純粋に、あの場所をあのフィルターを通して2人のことを眺められたっていう嬉しさだけが残る。