ゆみゆみ

君の名前で僕を呼んでのゆみゆみのレビュー・感想・評価

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
4.0
ラストのエリオの表情に心情を揺さぶられる思いで観終わった。

【あらすじ】
1983年、夏。イタリア北部の別荘で避暑を楽しむ17歳のエリオ(ティモシー・シャラメ)。大学教授の父の教え子が毎年一人ずつ、その別荘にやってきて一夏を過ごしている。今年やってきやのは24歳のオリヴァー(アーミー・ハマー)。

前半は避暑地の何気ない光景がずっと続くが、途中、いや早い段階からエリオはオリヴァーを意識していた。最初はたぶん、自分の気持ちへの反発からか、オリヴァーを嫌っているような態度をしている。

それが、エリオが自分だけの秘密の水辺にオリヴァーを案内したところから、二人のストーリーは急加速的に進行して行く。

Call me by your name and I’ll call you by mine.
そう言ったのはオリヴァーだった。官能的なようであって、純粋にも感じる。

オープニングに美しい彫刻の顔が映し出されるが、エリオもまた美少年だが、しかし体つきは彫刻のそれとは違い、線の細い華奢な体だった。




**ネタバレします**










エリオの父もオリヴァーも彫刻の研究をしていることから、何というか、同じく美しいものに無条件に惹かれるのだろうかと思った。
たぶん、二人ともそもそもゲイというわけじゃないんだろうな。お互い彼女のような存在があったから。

人と人との間の愛の話であって、性別も年齢も関係ない。お互いを求め合う気持ちが苦しいくらい伝わってくる。好きで好きで仕方ないんだろうなぁと何度も思った。

ただオリヴァーは大人だし、エリオを傷付けることに対する恐怖心もまた持ち合わせていて、求める気持ちと離れなければという気持ちの葛藤も観ていて苦しかった。
だから最初からそんな素振りは一切見せないでいたんだなぁ。実は最初からエリオを好きだったオリヴァー。一度触れて嫌がられたらもう二度と行けない。

でもエリオに秘密の水辺に連れて来られて、ダメだとわかっていても、エリオの唇に触れてしまう。そして一度キスしたら、絶対止められなくなる。いつの時代でも異性でも同性でも関係ないな。

エリオ初めての恋。その恋が辛い結末であっても、エリオにとって最初で最後の初恋。他のこれからする恋とは一線を画す。それだけにその心の痛みも苦しみも、置き所のない気持ちも、全てはエリオを強くするかけがえのない経験になる。

両親がすごかった。どんだけ理解あるねん。
でも自分もきっと同じようにする気がする。誰かを愛することができるのは、奇跡だし、愛する人に出会うことは人生の目的だと思ってる。だから、娘には心が痛くて悶える程の恋をして欲しい。

エンドロールのラスト、泣き続けるエリオにオリヴァーと声を掛けられるんじゃないかと思ってしまった。そしたらちゃんとエリオと母親が呼んだ。